富士ゼロックス,ブロードバンド向け遠隔コミュニケーション支援サービスを提供

富士ゼロックスが1歩進んだ企業向けのコミュニケーション支援サービスを発表した。1.5Mbpsの回線があれば,会議やイベントの様子を資料と共に詳細に参照できる。TV会議にナレッジ・マネジメントを組み合わせたようなサービスだ。

【国内記事】 2001年7月24日更新

 富士ゼロックスは7月24日,講演や会議の内容を遠隔地に居ながら共有できる情報共有サービスを発表した。これは,1.5Mbps以上の回線さえあれば,現場の様子やプレゼンテーション資料をWeb中継あるいはオンデマンド配信で共有できるというもの。360度のパノラマ動画や資料の同期切り替え表示といった機能があり,臨場感に富んだコミュニケーションを提供できる点が特徴だ。

 同社はこれを「ユビキタス・メディア・サービス」と名付け,企業内研修やイベント・セミナー用途に販売する。ユビキタス・メディア・サービスは,アプリケーションサービスの「Knowledge-Drive」,場面検索機能を搭載したビデオ配信サーバ「MediaDEPO」,パノラマ映像配信サーバ「FLYCAM」の3つで構成している。このうち,MediaDEPOとFLYCAMは既に販売しているもの。それぞれの機能は以下の通り。

FLYCAM

複数のCCDを搭載したユニークなカメラユニットと,Windows 2000ベースのWeb配信サーバを組み合わせたシステム。180度もしくは360度の映像を平面に開いてパノラマ表示する。常時,広い範囲の映像を拾っているため,受け手側の操作でパンやチルトも可能。見たい場所を選択できるのがメリットだ。レンタルサービスのほか,システム単体販売も行う。価格は220万円(180度カメラとPentium III/800MHz搭載のPCサーバ)より。

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CCDの数により,2機種のカメラをラインアップ。写真は360度バージョン。前後左右に4つのCCDが配置されており,それぞれ90度ずつを担当する

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FLYCAMで180度の広角撮影

Knowledge-Drive

映像の収録から編集,サーバアップロードといった,一連のコンテンツ制作作業を自動処理するサービス。Web中継では,講演者が使用中の資料を切り替えると,遠隔地にいる受講者が見ている資料も切り替わる同期配信機能などを提供する。リアルタイム中継はもちろん,中継録画でも再現できる点は便利だ。なお,アプリケーションサービスにあたっては,ソニーが提供するBit-Drive内にサーバをハウジング。また,ユーザー企業がブロードバンド回線を持たない場合は,Bit-DriveのWLLやADSL Proを使う販売提携も交わしている。

Media DEPO

ビデオ映像の自動配信とコンテンツ制作を自動化するサーバ。撮影した動画を場面ごとに切り分け,サムネイル表示して検索や管理を可能にする。また,講演者の言葉をテキスト化し,キーワードで検索する機能もある。これを利用すれば,キーになる言葉から動画を頭出しできる。

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Media DEPOによる時系列の映像サマリー表示。通称「まんが表示」だ

 富士ゼロックスでは,これら3つのサービスや機能を必要に応じて組み合わせて提供する。料金は,ビデオ撮影および資料の同期配信サービスが1回20万円(1時間あたり)より。オンデマンド映像を管理するサーバ利用料金と資料の同期配信サービスが25万円前後(1カ月あたり)より。双方向コミュニケーション環境の構築に必要な機器やインフラのトータルコーディネイト,ビジネス企画提案を含めたソリューション提供サービスなどは個別の見積もりとなっている。

関連リンク
▼ 富士ゼロックスの専用サイト

[芹澤隆徳,ITmedia]

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