FTTH金沢トライアルの成果,B2Bは有望,C2Cは“?”

NTT,松下電器産業など5社が「FTTH金沢トライアル」の成果を報告。トライアルを通して「幾つかの有望なビジネスモデルを開拓した」という。

【国内記事】 2001年7月31日更新

 NTT,松下電器産業など5社は7月31日,「FTTH金沢トライアル」の成果を報告した。同トライアルは,光ネットワークと情報家電を使った地域情報流通ビジネスの検証を目的として,2000年5月から金沢市内で行われた実験サービス。NTT,NTT西日本,松下,松下通信工業,北陸松下ライフエレクトロニクスの5社が参加し,当初の計画から1カ月間延長して6月末に終了した。

 実験では,NTTのワイドLANサービス(NTTサイトを参照)をSOHO事務所や集合住宅などに引き込み,約120世帯の一般家庭が参加している。モニターは,トライアルサイトを通じて大容量コンテンツを利用したほか,自身で作ったコンテンツを公開することもできた。コンテンツ数は,モニターが作成したものを合わせ,40を超えたという。

FTTH金沢トライアルの概要。出典はNTT

B2B,B2Cは有望。C2Cは“?”

 NTTでは,トライアルを通して「幾つかの有望なビジネスモデルを開拓した」という。具体的には,企業間取引(B2B)の分野でコンテンツ販売や印刷・製版業の大容量データ送受信などを実施,実際のビジネスとして成り立っているとしている。また,企業-消費者間の取引(B2C)においても,音楽のライブ中継や動画広告配信サービスなど「発展性のあるビジネスモデルを発掘した」(NTT)。とくに,市内を走るバスが今どこにいるかをリアルタイム表示する「バスドコ」など,既に実際のビジネスに結びついているものもある。

 ただし,消費者間取引(C2C)分野においては,「多くのサービスを試行したものの,期間中にキラーサービスを見出すには至らなかった」(NTT)という。消費者同士を結ぶC2Cは,潜在的な市場規模がもっとも大きいといわれる。しかし,内容ありきのコンテンツ市場で,個人提供のサービスが成功することはなかなか難しいようだ。

 一方,情報機器の開発では,そのニーズの高さを認識したうえで,ホームゲートウェイ製品に関して「本体のコンパクト化と操作性の向上が必須」という具体的な改善策が挙げられた。

 このほか,参加者からは「(光による)劇的な効率化は,一度知ってしまったら二度と後戻りはできない」「ダイヤルアップ接続と比べると,(動画は)格段に画質が上がっている。映像のプロとしては,画質的にもインパクトを与えたいという欲が出てきた」 といった声が寄せられた(NTTサイトを参照)。

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関連リンク
▼ NTTのニュースリリース
▼ひかりチャンネル(トライアルサイト)

[芹澤隆徳 ,ITmedia]

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