“ブロードバンドのランドマーク”として生まれ変わるソニータワー

【国内記事】 2001年8月1日更新

最新のブロードバンドインフラが整備されたソニータワー
 今年で25周年を迎える大阪・心斎橋のソニータワー。風力発電で電力供給を行うなど環境に配慮した建物として知られるソニータワーだが,8月2日のグランドオープン以降は,“関西最速のブロードバンドタワー”として有名になることだろう。今回の改装の最大の目玉は,スターバックスの誘致に成功したことではなく,同タワー3階にオープンするブロードバンドショールームの「Sony Broadband Community」だからだ(ひと足早く7月下旬にオープンしたスターバックスは,連日満員御礼のようだが)。

 オープンを翌日に控え,報道関係者向けに開催された内覧会のもようとともに,Sony Broadband Communityの内容を紹介しよう。

銀座と100Mbpsで接続

 「次世代のブロードバンドが体験できる場所」(ソニー企業の澤田敏春社長)をコンセプトにオープンするSony Broadband Communityは,東京・銀座のソニービルと100Mbspの光IP網で専用線接続され,高画質な映像と音声を利用した双方向コミュニケーションを体験することができる。

 内覧会では,ソニービルのAIBOをソニータワーから遠隔操作するというデモンストレーションが,MPEG-2形式のリアルタイム映像付きで行われたが,もちろん,遅延などほとんどない(内覧会に登場したソニーの出井伸之会長も「難しいことはできないんだよね」と言いながら,照れくさそうにAIBOを操っていた)。

100インチの大型リアプロジェクターには,銀座ソニービルの模様が映し出されている。ソニーは,このシステムを利用した双方向コミュニケーション型の各種イベントを展開する計画。画面の女性はソニービルのアライさん

 ネットワークの仕様を説明すると,ソニータワーは,堂島のデータセンターを経由して大手町のデータセンターに接続(全て光IP網)。一方のソニービルは,大手町のデータセンターに直接繋がっている。光IP網は,NTTコミュニケーションズの専用線サービスを使用しているのだが,通信速度は最大で1Gbspまで引き上げることが可能だという。そのため,バックボーンの1Gbps化に備え,ソニータワーの館内ネットワークは一部をギガビットイーサネットで構築している(フロア間をつなぐスイッチングハブ同士は1Gbpsで接続。各フロアは100Mbpsのネットワーク網だ)。

 また,大手町データセンターからは,ソニーの企業向けxDSLサービス「bit-drive」のデータセンターに10Mbpsの専用線で接続。そこからインターネットに出て行くことになる。なお,銀座のソニービルにも同様のインフラが組まれているが,ソニータワーほどのショールームを作るスペースがないため,しばらくはバイオが数台置かれるだけだという。

 「Sony Broadband Communityは,次世代のインターネット環境を構築したショールームだが,決して未来のものではない。現在の技術進歩とブロードバンドインターネットへの期待度を考えれば,明日,明後日に訪れてもおかしくないものだ」(ソニーの出井会長)。

ソニーのブロードバンドコンテンツが集結

 また出井会長は,「ここには,ソニーの全方位型ブロードバンドコンテンツがある」とアピールする。“次世代ブロードバンド”を掲げるショールームだけに,“ソニービルと100Mbpsで接続”というフレーズがランドマーク的に使われるのは当然だが,Sony Broadband Communityでは,フロア内に設置されたバイオを使って実際にソニーのブロードバンドコンテンツを体験してもらうことも重要な目的である。具体的には,ソニーグループ各社のプロモーションビデオや現在提供されているブロードバンドコンテンツをオンデマンドで視聴することが可能だ。

常駐する案内係のお姉さんたちが,コンテンツの内容について説明してくれる

 ただ,次世代ブロードバンドを体験というコンセプトの割には,コンテンツ自体に特に目新しいものがなくて物足りない気もする。しかしながら,Sony Broadband Communityはショールームという位置付け。当然,「ブロードバンドに興味はあるが,なかなか触れる機会がなかったり,何をどうしたら良いか分からないという人」(ソニーマーケティング ショールームプロデューサーの竹内昭範氏)が主なターゲットとなるので,「実験的なものよりも,いかに分かりやすく伝えるかのほうが重要」(同氏)

 企画レベルでは,銀座と心斎橋の間でのビデオチャットなども候補に上がったが,「ユーザーのモラルに依存する部分が大きく,管理が難しいので見送ることにした」(竹内氏)という。

ショールームの一角には,放送スタジオのような設備も。ここでは,「関西からの情報発信」(澤田社長)を合言葉に,ストリーミング配信用の番組制作を行う予定だ

 また,Sony Broadband Communityで面白いのは,2階のスターバックスで買った飲み物などを持ち込めるところ。いつも満席のスターバックスだけに,ショールームへ客が流れてくるのは必至だろう。またスターバックスにはバイオが8台設置され,こちらもショールームと同様にブロードバンドコンテンツを試してみることが可能だ。ただ,スターバックスではブロードバンドコーナーの客は滞留時間が非常に長く,ソニーではショールームでもコーヒーを片手に持ったユーザーたちに占領されることを懸念しているそうだ。

 なお,Sony Broadband Communityの営業時間は午前11時から午後8時まで。入場は無料となっている。

関連リンク
▼ ソニータワー
▼ ソニー

[中村琢磨,ITmedia]

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