ウワサの“街角無線インターネット”を見てきました〜中編

雨ニモマケズ,風ニモマケズ,三軒茶屋のMIS(Mobile Internet Service)実証実験を見てきました。

【国内記事】 2001年8月22日更新

  東京,三軒茶屋地域で行われているMIS(Mobile Internet Service)の実証実験エリアが拡大された。これまでは,スポット的に2ヵ所のアクセスポイントが設置されていただけだったが,今回は田園都市線三軒茶屋駅から北西に伸びる商店街と,その周辺でIEEE 802.11b無線LANによるインターネット接続を利用できる。面の展開とまではいかないが,なんとか線になったという印象だ。

 台風の接近で空は真っ黒。風はないが,時折激しい雨が地面を叩きつける。何故こんな日に“街角”無線インターネットの検証に行かなければならないのか? という素朴な疑問はさておき,まず駅前の喫茶店に入った。MISがモニター向けに公開している資料によると,このあたりは確実にサポートエリアだ。混み合っている1階を避け,2階席の窓際に陣取った。ノートPCに貸し出された無線LANカードを挿入して,早速接続を試みる。タスクバーのアイコンは緑(リンク中)。無線LANカードのユーティリティを開くと,チャンネルスキャンが行われていた。

 しばらく待ってもチャンネルが定着しないので,痺れを切らしてブラウザを立ち上げてみると,なんと繋がっていた。メールの送受信,Webブラウズともに高速だ。ただし,チャンネルが頻繁に切り替わるためか,通信が途切れてしまうことが多い。

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メール,Webともに利用できるが,場所を選ぶ必要がある

 試しに,ADSL実験室につなぎ,ダウンロード速度を計測してみた。その結果,Biglobe上のファイルダウンロード時がもっとも速く,4512Kbpsを記録。そのほかのサイトを利用したときも,4000Kbps程度が出た。ときどき休憩することを除けば,極めて快適な環境だ。

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MISはバックボーンに有線ブロードの光ファイバーを利用している。考えてみれば,贅沢なインフラだ

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三軒茶屋のシンボル的存在,キャロットタワー
 次に,東急ストアやTSUTAYAも入っている複合ビル「キャロットタワー」のロビーに移動した。壁がガラス張りのため,外を通る人たちが好奇の目で見ていくが,このへんはもう慣れ。ロビーでも通信は可能だが,チャンネルスキャンは相変わらず続いていた。

 MISにこの点を問い合わせたところ,実はチャンネルスキャンが続くのは正常な状態だという。理由は「常に電波状況を把握し,より良いチャンネルを確保するため」(MIS)。しかし,その仕様によって通信が途切れるのでは困る……のだが,それは単に場所の問題だったらしい。例の喫茶店は,1階こそ良好に通信できるものの,2階にはちょっと難があるらしい。ちなみに,使用されているアンテナは平面タイプとロッドタイプの2種類で,通りに面した電柱や建物の壁などに設置されることが多い。アンテナの場所は非公開のため,すぐ近くで試してみたいなら戸外に出て探すしかないのだが,今回は台風11号に敬意を表して止めておこう。

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2階窓際でインターネット中。ハタからみると,ただの変な人

 ともあれ,街のあちこちでインターネット接続が可能になることの便利さだけは体験できた。ただ,晴れていても路肩でノートPCを広げる人はあまりいない。PDA用のドライバが提供されるか,町中くまなく良好な電波が得られると状況は違うのだろうが,現状では確実に接続できるホットスポットが増えるほうがありがたいように感じた。

 MISは,8月下旬に報道関係者向けの体験会を開催する予定だ。後編では,体験会の模様に加え,MIS方式のハンドオーバー性能やセキュリティ機能の詳細をレポートする。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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