有線ブロードとIRI,大阪ミナミで光ファイバーによるHDTV伝送実験

有線ブロードネットワークスとインターネット総合研究所は,光ファイバーを利用したHDTVの伝送実験を11月に開始する。ビットレートは20Mbps。

【国内記事】 2001年8月28日更新

 有線ブロードネットワークスとインターネット総合研究所(IRI)は8月28日,総務省の外郭団体である通信・放送機構から「次世代ハイエンド通信・放送融合システムの研究開発」事業を受託したことを発表した。予算は3億円。これにより,有線の光ファイバー網を利用したHDTV(ハイビジョン)伝送の実用化に向け,11月から大阪のミナミ地区で実証実験を行う。

 実験では,画像伝送に加えて著作権管理や個人認証,課金処理,番組編成システムを含むビジネスモデルの検討を行う。IRIが全体の管理・進行とインターネット放送に関する技術を担当し,ネットワークインフラ技術や著作権管理に関するノウハウを有線ブロードが提供。システム構築面で富士通が協力する。

 有線ブロードが10月から大阪府内でのFTTHサービスを開始することもあり,「エリア内にある50戸程度のマンションに協力してもらい,12本の光ファイバー回線(24芯)を敷設する予定だ」(同社)。伝送する映像は,標準的なMPEG2規格のなかでも上位に位置するMP@HL(メインプロファイル・ハイレベル)仕様。解像度は1920×1080・30フレーム/秒で,ビットレートは20Mbpsとなる。DVD VideoのMP@ML(メインプロファイル・メインレベル)が6Mbpsであることを考えれば,いかに高画質な仕様であるかが伺える。

 大阪で実験を行うもう1つの理由がコンテンツ。近年,心斎橋周辺の通称「アメリカ村」周辺にはデジタルクリエイターが集い,作品を発表する場を求めているという。地元企業などの働きかけもあり,有線ブロードは自社の所有するカラオケボックスの1室を提供,そこからクリエイターたちの製作した音楽,アニメ,映画などを配信する。

 このほか,日本封切り前の米国メジャー映画を家庭に配信する予定もあり,有線グループを通じて複数の映画配給会社と交渉中だ。既に有線が契約している音楽や映画,語学などのコンテンツにくわえ,大阪にある放送局などの参加を募ることで,最終的には数十社の参加を見込んでいるという。

関連リンク
▼有線ブロードネットワークス
▼インターネット総合研究所

[芹澤隆徳,ITmedia]

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