Streaming Now!〜流れをつかめ!
第6回:「QuickTimeはストリーミングよりも偉い」という話(1/2)

【国内記事】 2001年9月12日更新

 ここのところ,ガラにもなく,セミナーの講師のようなことをたてつづけに行ってきた。1つは,「日本画質学会」の「ストリーミング2001」。もう1つはイメージワンとエステックが主催して大阪で行った「Streaming Solution Fair」。どちらも中身の濃いイベントとなり,大変有意義なセミナーであったと感じている。いや,来場者にとって有意義だったという意味ではなく(オイオイ),私にとって,自分のルーツを見つめ直すことができて有意義だったという話である。

画質はそのうち問題ではなくなる……

 まず,前者の日本画質学会のセミナー。基本的に,放送などに関わる方々が参加し,ストリーミングの画質について云々するという,なかなかにシビアなイベントであった。1Mbpsという帯域の中,Real System,Windows Media Technology,QuickTimeのうち,どの技術がいちばんきれいかを見比べるというコーナーもあった。普通に考えれば,1Mbpsもあれば十分過ぎるほどの画質が得られるワケだが,さすがに映像の専門家が納得いく画像までは得られない。「どの技術も,まだまだだね」という結論となった。

 個人的に興味深かったのはWindows Media Technologyの画像だ。ほかの2つと比べると,モザイク状のブロックノイズが出ることもなく,色も鮮やかにエンコードされている。「素人が見ると一番きれいな画像」ができあがるのだが,やたら派手で,ちょっと下品なのである。まあ,マイクロソフトらしくて結構な話である。

 で,私はQuickTimeについてのプレゼンテーションを行ったのだが,その内容はといえば……QuickTime VRやらCubic VRやらを見せたり,インタラクティブなコンテンツを見せたりと,あまりストリーミングとは関係のない「QuickTimeの基本機能」ばかり説明してみせた。これには理由がある。

「画質なんて,技術が進歩すりゃいくらでも上がるんだから,それ以外のところで判断すればいいでしょ?」と言いたかったのである。確かに,ストリーミング系の画像そのものは「まだまだ」かもしれないが,これが「十分」に変わるまでの時間というのは,おそらく,参加していた方々の予想より遥かに短かいし,どうせ画質の差なんてほとんどなくなるのである。ならば,それ以外のところに注目してほしいと思ったのだが……それは伝わらなかったようだ。

QuickTime野郎たちが誕生するまで

 それから大阪でのイベント。こちらはストリーミングのイベントではあったが,蓋を開けてみると,実はQuickTimeのイベントであった(笑)。それもそのはず,主催者の1つであるエステックは,大阪のアップルセンターとして活躍してきた会社であり,みんなQuickTime好きの人たちなのである。出展社の多くも,QuickTimeに関して一言言いたい人たちばかり。

 で,ここからが重要である。ここに集まった人たちは,別にアップルからお金をもらってQuickTimeの布教活動をしているワケではない。もっと言えば,もともとストリーミングに興味があった人たちでもないと思う。「QuickTimeがストリーミング機能を備えたから」,ストリーミングの世界に引き込まれてきた,根っからの“QuickTimer”なのである。

 実際,エステックの方々のデモを見ても,「単純にストリーミングを流しています」というデモは1つもなかった。それ以上に,作り手として仕掛けを楽しんで作っている様子が随所にうかがえて,ついついニヤリとしてしまった。そのようなデモを見ながら,ふと自分自身のことを振り返ってみた。


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