usenと楽天,「ミドルバンド」向けコンテンツ集約・配信を行う新会社を設立

【国内記事】 2001年9月19日更新

 有線ブロードネットワークス(usen)と楽天は9月19日,ブロードバンド環境向けのポータルサイト運営およびコンテンツ配信を行う新会社「ABC」(All Broadband Contents,仮称)を共同で設立することを発表した。

 この新会社にはusenと楽天が半額ずつ出資し,資本金は4億8000万円。設立は9月末の予定で,12月上旬を目処にサービスを開始する方針だ。

 ABCの役割は2つある。1つはブロードバンド環境ならではのコンテンツを集約し,ポータルサイトとして提供すること。同時に,ADSLやCATVインターネット接続サービスを提供するISPと連携し,コンテンツ配信を行う。コンテンツのエンコーディングや課金システム,著作権管理業務などをABCが担うことで,コンテンツプロバイダーの負担を減らすという。

 usenはこれまで,最大100Mbpsでの接続が可能なFTTH接続サービスを展開するとともに,同サービス向けのコンテンツ事業を行ってきた。一方楽天は,ショッピングモールにはじまり,検索サイト「infoseek」やオークションサイトなど,さまざまなポータルサイトを運用している。

 usenのサービス内で提供されているコンテンツが「ブロード」バンド向けならば,今回設立されるABCのターゲットは,常時接続は前提となるが,数Mbps前後の接続環境という。いわば,「ミドル」バンド環境だ。ユーザーを大きく増やしつつある他のネットワーク事業者と連携しながら,音楽や映画,ゲーム,あるいはショッピングといったコンテンツを提供していく方針だ。

「usenの商売の基本にあったエンターテイメントコンテンツに,楽天のショッピングサイトやコミュニティサイトを組み合わせることで,ブロードバンドならではの新サービスを生み出していく。しかもこれらをフルオープンな形で提携ISPに提供することで,コンテンツの流通を促進させる」(usen代表取締役社長,宇野康秀氏)。

 既に同社は,国内大手のISPのほか,アッカ・ネットワークス,イー・アクセス,NTT PCコミュニケーションズといったADSLサービス事業者との間でコンテンツ配信に関して話し合いを進めているという。

 また,全国100社以上のCATV事業者に対し,衛星回線を用いてコンテンツを配信することも計画している。さらにコンテンツ配信に当たっては,ブロードバンドエクスチェンジ(BBX),プロデュース・オン・デマンドの各社とも協力し,配信プラットフォームを確立する。

 サービス開始時には,楽天や提携ISPのポータルサイトからABCのサイトにユーザーを誘導し,コンテンツを提供する。ユーザーが支払った料金は,ABCとISP,コンテンツプロバイダーとの間でシェアする方式だ。料金体系としては,コンテンツごとのオンデマンド課金のほか,一定額のパック課金も計画しているという。

 コンテンツを組み合わせたブロードバンド接続サービスとくれば,Yahoo! BBの存在が気に懸かる。だが楽天代表取締役会長兼社長,三木谷浩史氏は「特に(Yahoo!に)対抗するという意識はない。単に,楽天とusenの組み合わせがぴったりはまるものであり,最強の組み合わせであるということ」と述べ,そうした意図はないことを強調した。

関連リンク
▼ 有線ブロードネットワークス
▼ 楽天

[須藤陸,ITmedia]

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