WIS,月額1980円の無線アクセスサービスを発表

ワイヤレスインターネットサービスがNTT-MEと提携,低額の無線インターネット接続サービスを11月から本格展開する。月額料金は1980円。機器のレンタル料を合わせ,1カ月あたり2750円で利用できる。

【国内記事】 2001年9月25日更新

 ワイヤレスインターネットサービスは9月25日,最大2MbpsのWLL(Wireless Local Loop)による無線インターネット接続サービス「WIS-net」(ウィズネット)を月額1980円で提供すると発表した。10月1日より,東京23区および三多摩地区を対象に仮申し込み受付を開始。あわせて,最大11Mbpsの上位メニューを「なるべく早期に」(同社)設定することも明らかにしている。

WISの大石智一社長

 WISは,機器メーカーのコーラスコンピュータが2000年2月に設立した通信子会社。同年11月に第1種通信事業者の免許を取得し,コーラスの開発したIEEE 802.11ベースの独自WLLシステムを使って商用サービスを提供している。同社のサービスは,マンションなど中規模の建物に無線基地局を設置し,周囲の住宅(半径400メートル以内)にサービスを提供する方式だ。もちろん,マンション内の家庭も利用できる。実効スループットは,上り下りとも約1Mbps(最大2Mbps)。

総額は2750円

 今回の発表により,従来は3900円だった月額料金は,11月から1980円に値下げされることになった。ただし,通信機器のレンタル料として770円が別途必要となるため,総額は1カ月あたり2750円。また,初期費用(従来は2万5000円)は,登録料の5000円のみに変更されている。費用とサービスの詳細は以下の通り。

サービス名称 WIS-net
月額利用料 1980円
機器使用料 770円
合計 2750円

【初期費用】

加入手続料 5000円
工事費用 DIYの場合は無料。工事依頼の場合は一戸建てが1万3000円から,マンションは8000円から

【ISPサービスの内容】

メールアカウント 4アカウント(追加1アカウントごとに月額300円)
ホームページ 5Mバイト(追加5Mバイトごとに月額1000円)
メール転送 転送先1カ所指定可
電話サポート 有料

 また同日,WISは競争力のアップを目的としたNTT-MEとの提携を発表している。これにより,全国に広がるNTT-MEの光ファイバー網「XePhion」をWIS-netのバックボーンとして利用するとともに,同社のISPサービス「WAKWAK」に無線アクセス回線を提供するという。この場合のサービス名は「WIS-net powered by NTT-ME/WAKWAK」となる。

ADSLではe-Japanの目標達成はムリ?

 発表会で挨拶に立ったWISの大石智一社長は,低層住宅とビルが入り混じる日本の都市環境では,配線の必要のない無線アクセスが有効だと強調した。「WLLは,個々の住宅にケーブル敷設コストが発生しないうえ,バックボーン料金もマンションと周辺の世帯でシェアすることができる。ADSLやFTTHの敷設スピードとコストでは,“e-Japan2002プログラム”の達成は難しいだろう」(大石氏)。

 さらにコーラスは,WLLシステムの改良によって,広帯域化(11Mbps)とともに受信エリアを基地局から周囲800メートルに拡大することを可能にしたという。「受信できる半径が倍になれば面積は4倍。つまり,われわれの基地局設置コストが4分の1になるということだ」(大石氏)。

WISのシステム概要。基地局から半径800メートル,周囲2平方キロをサポートできる

 基地局を既存マンションに設置する場合は,管理組合の合意が必要となり,それに伴う煩雑な作業が普及を阻害していると言われている。しかし,大石氏によると,マンション内の全世帯に回線を引く場合と異なり,基地局を置くだけであれば比較的容易だという。WISでは,携帯電話やPHSの基地局設置工事を請け負っている複数の企業と提携。71万基以上あるといわれるPDCやPHSの基地局と同レベルの手間で,設置作業を進める目算を立てている。

 さらに,3次元地図技術を持つ日本コンピュータグラフィックと共同開発したエリア判定システム「3D-SAMS」(3D-Strategic Area Mapping System)により,「サービスの迅速かつ正確な提供が可能になった」(大石氏)。3D-SAMSは,衛星写真をもとに立体化した地図を用い,電波の伝達状況をマッピングするもので,マンションならサービス可能な階層まで判断できる。このため,ユーザーが申し込んでからサービスの可否を判定し,機器の発送に至るリードタイムは,「既に基地局が設置されている場合なら,48時間以内に短縮する」としている。

 WISでは,首都圏を皮切りとして,大阪,名古屋など大都市圏にエリアを拡大,来春までに10万ユーザーの獲得を目指す。既に11Mbpsサービスの対応機器も開発は終了しており,「なるべく早期に開始する」方針だ。こちらは上位メニューとして位置付けられ,月額料金は3000円台になる見込み。このほか,VoIPを使った電話サービスや,自宅外のホットスポットで無線インターネットを利用できる“セミモバイル”サービスなどを盛り込んでいくという。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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