動き始めたアッカのG.dmt Annex C,出足は!?アッカが提供するG.dmt Annex Cの最大8MbpsADSLサービス。今週からユーザー宅の開通工事が始まり,数十件が既に開通しているという。その現状をアッカに聞いた。
「まったく痛みを伴わないインターネット構造改革」を標榜するアッカ・ネットワークスが,改革の目玉となるG.dmt Annex Cのサービスを開始した。今週から,一般の開通者が出始めているようだ。同社の池田佳和副社長にサービスの現状を聞いた(以下敬称略)。
スピードは期待通り?ZDNet 既に開通したケースも報告されていますが,期待したスピードは出ていますか? 事前の評価試験では,回線距離が1.6キロまで8Mbpsで接続できるということでした。 池田 今週からユーザー宅の開通工事が始まり,数十人の開通者が出ています。サンプルがまだ少ないので,収容局名や平均スピードといった情報を出すことは控えますが,リンクスピード(インターネットを介さないNTT収容局までのスピード)なら,8Mbps出ているケースが数件報告されています。 評価試験は,社内にある「ラインシュミレータ」(擬似的に電話加入者線を作る装置)を使いました。実際のサービスを想定してホワイトノイズをバックグラウンドに入れましたが,実地ではもう少し下がるとみています。 ZDNet 「Yahoo! BB」は都内の平均速度が3Mbpsということですが。 池田 Annex Aは,ISDNとの干渉が一番の問題になるでしょう。1キロくらいまでの距離であれば5Mbps程度のスピードが出ますが,電子情報通信学会のレポートでも(NTT収容局からの距離が)3キロ程度から急激に落ちることが報告されています。 サービスの現状ZDNet ISPの対応状況を教えてください。 池田 既にSo-netが本申込みの受付を行っていますが,現在102のNTT収容局が対象になっています。これ以外にASAHI-netとReSET.JP,OCN,そしてDIONが順次サービスを開始します。そのほかのISPは検討中です。 ZDNet 申込みから開通までのリードタイムは,どの程度ですか? 池田 G.liteのサービスは7〜10日で開通していますが,G.dmtでも既に開局しているところ(収容局)は同様で,待つことはあまりないと思います。 ZDNet G.liteのユーザーがG.dmtへの移行を希望した場合,手続きはどのようになりますか? 池田 それはISPによって異なるので,一概にはいえません。手続き上はいったん解約する必要があるでしょう。ただ,多くの場合はメールアドレス等を引き継ぐことができます。 ZDNet 現在のところ,G.dmt対応モデムはレンタル形式のみの提供となっていますが,購入できるようにする予定はありますか? 池田 店頭販売されるモデムへの対応は未定です。アッカを通じて販売(モデム売り切り)することも含め,検討中です。 Yahoo! BB発表の影響ZDNet 8MbpsサービスはYahoo! BBが先行していますが,ヤフーの発表はスケジュールに影響を与えましたか? 池田 G.dmtのサービスは,もともと2001年秋に開始する予定でした。ただ,どこのISPとやるか,あるいは価格などの詳細を固めてから公表するのが普通ですが,ヤフーの発表があって発表を繰り上げたのは事実です。もちろん,9月には準備が整う目処が立っていたからこそ,できたわけです。 ZDNet Yahoo! BBの発表は,加入者数にも影響したのですか? 池田 たしかに,ヤフーの発表前は毎月倍々ペースに近い形で伸びていたのが1.2倍くらいになりました。ただ,われわれは技術的に良いものをステップを踏んでやろうとしていたので,それを実行したというのが(8Mbpsサービスの)主旨です。 Annex Cはコスト高?ZDNet 11月までに500局というハイペースで展開する訳ですが,一方で日本特有のAnnex Cは,世界中で広く使われているAnnex Aと比較してコスト高になるという見方があります。 池田 一年前なら,そのような議論も成り立ったでしょう。しかし,現在国内には50万回線のADSLがあり,どんどん増えています。マーケットの拡大が見えている状況では,Annex Aのモデムだから安いということはありません。マーケットサイズで高いというのは,開発費をどれだけの数で割るかという議論ですから。信号処理のチップも共通化しつつあり,ファームのアップグレードだけでOKです。 局側装置やバックボーンの敷設についても同じことが言えます。11月までに500局といっても,新たな局に設備を置いたり,中継回線を引いたりするわけではありません。既にG.liteのDSLAMを導入してありますので,増設していくイメージですね。増設の仕方には2種類あって,カードの追加か,シェルフに空きがない場合は新しいラックを立てる場合があります。いずれにしても,今ある設備を捨てて新しくするわけではありません。 ZDNet 株主の1社であるコバット・コミュニケーションズの窮状が報道されています。資金調達に影響はありますか? 池田 われわれは,最初に構築したプランに沿ってビジネスを進めていますし,必要な資金も用意してあります。増資の予定もありますが,具体的なことは公表できません。 また,コバットも資本を引きあげることはないと聞いています。同社がチャプター11(米破産法に定める会社再建手続き。日本でいう会社更生法)の適用を申請したのは社債を整理するためであり,これで状況は改善されました。今は加入者も増えているようです。 関連記事 関連リンク [聞き手:芹澤隆徳,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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