NTTコムウェア,家電制御を可能にする小型LinuxマシンをCEATECで披露

NTTコムウェアは,ホームゲートウェイとして利用できる小型のLinuxマシン「L-BOX」を発表した。携帯電話から宅内の端末や情報家電を制御する機能を持つ。

【国内記事】 2001年10月1日更新

 NTTコムウェアは10月1日,小型のLinuxマシン「L-BOX」(Linux BOX)を発表した。RGW(Residential Gateway:宅内ゲートウェイ装置)としての利用を想定しているほか,センサー類と組み合わせて工場のライン監視といった用途にも対応する。2日に幕張メッセで開幕する「CEATEC JAPAN 2001」に出品してデモンストレーションを行う予定だ。

 沖電気工業は10月1日,家庭やSOHOに向けたVoIPアダプタ2製品を発表した。ブロードバンド回線事業者にOEM提供し,家庭へのIP電話普及を目指す。

本体は非常にコンパクト。上部にPCカードスロット×2を備える

 L-BOXは,家庭での常時利用を意識して,消費電力と騒音を抑えた設計になっている。CPUは,米ZF MICRODEVICESの統合型x86チップ「ZF x86」の128MHz版。i486相当のZF x86は現在のCPUに比べれば非力だが,「USBやイーサネットのコントローラを統合しているうえ,発熱が少ないというメリットがある」(NTTコムウェア)。本体メモリは16Mバイト(最大80Mバイトまで拡張可能)。このほか,アプリケーションを導入するための外部記憶装置として,マイクロディスクモジュール(標準4Mバイト)およびコンパクトフラッシュ(オプション)を使用する。騒音と発熱の元となるHDDは搭載せず,そのぶん本体を小型化した。サイズは,67(幅)×119(高さ)×98(奥行き)ミリ。重量は約270グラムだ。

 インタフェースは,PCカードType II,USB,イーサネット(10/100BASE-TX対応)をそれぞれ2口用意している。PCカードスロットに無線LANカードなどを挿入し,ゲートウェイ兼アクセスポイントとして使うことも可能だ。また,ルーティングの機能は持たないが,ファイアウォールと帯域制御の機能を備えている。対応プロトコルはIPv4とIPv6。IPv6については,「マルチキャストは実験段階だが,IPSecへの対応は実証済み」(同社)としている。

ケータイから家電を制御

 L-BOXの目玉は,インターネットを介して情報家電や端末を制御する機能だ。CEATECでは,電源コンセントを持った外部ユニットをUSB接続し,携帯電話からの操作で蛍光灯やラジカセなどの電源をオン/オフするデモンストレーションを披露する。また,カメラ付きドアホンと連携した運用も可能だ。留守中に来訪者があると,L-BOXがユーザーの携帯電話にメールを送信。メールに記されたURLをクリックすれば,L-BOXのWebサーバに接続して顔写真を見ることもできる。

 しかしながら,NTTコムウェアでは,L-BOXの市販時期を決めかねているようだ。「情報家電の市場は未成熟だ。当面はビジネス用途に注力する」(同社)としており,10月1日には企業向けのサンプル出荷を開始した。「CEATECへの出展を通じ,まずはL-BOXに接続する各種センサーを提供してくれるパートナーを探す」(同社)という。

関連リンク
▼NTTコムウェア
▼ZF MICRO DEVICES

[芹澤隆徳,ITmedia]

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