ブロードバンドで蘇るドリームキャスト

ドリキャスの残したコンテンツがブロードバンドで復活する。コンテンツプロバイダのエクサイドは,2002年第2四半期にもドリームキャストタイトルをPCやSTBに向けて配信する事業を開始する予定だ。

【国内記事】 2001年11月1日更新

 来年には,ブロードバンド経由でセガの「ドリームキャスト」タイトルが楽しめるようになる。それもPCやセットトップボックス(STB)を使って。

 エンターテイメントコンテンツプロバイダのエクサイドは11月1日,第三者割当増資を完了し,事業を本格的にスタートした。同社は,今年7月に設立されたばかりのベンチャー企業だ。しかし,セガの前専務であり,現在もセガとISAOの取締役を兼務している大山俊道氏が社長を務めている点からも分かるように,セガの新戦略を担う重要な位置にある。セガから権利を譲り受け,ADSLやCATVを使ってドリームキャストタイトルを家庭のPCやSTB(セットトップボックス)に配信するサービスを2002年第2四半期にも開始する予定だ。

 今回の増資では,セガ,エイベックス,ナムコ,ソフトバンクグループなど6社1ファンドから10億2490万円に上る資金を調達し,資本金を5億3445万円に増やした(資本金として5億1245万円を組み入れ,5億1245万を資本準備金として処理)。また,グローバルパートナーとして韓国市場を担当する韓国のSK Global,台湾の情報通信企業であるWistron Corporationなども参画している。

 エクサイドのビジネスモデルは,ISPやMSOCDNと課金システムを提供し,その上でコンテンツ配信サービスを行うというもの。PCでDreamcastのソフトを動作させるエミュレータや接続用ハードウェアも開発し,受注生産の形でISPなどに提供するという。なお,ソフトバンクグループが出資していることから,最初に配信サービスが提供されるのはYahoo! BBであると予測する向きもあるが,同社は「公式なコメントは出していない」と慎重な構えだ。

「契約に達してはいないが,いくつかのISPと交渉は進めている。われわれはオープンでありたい」(エクサイド)。

カプコンも参加

 エクサイドのサービスでは,「e-Gameアダプタ」(仮称)と呼ばれるDCゲーム処理用の専用ハードウェアをPCにつなぎ,ドリームキャストをエミュレートする。e-Gameアダプタは,ノートPC向けの外付け型,およびデスクトップ用のPCIカード型が提供される予定で,製造はWistronが担当。ただし,アダプタの価格やPCに求められるスペックなど,詳細は未定だ。

 DCタイトルは,PCのハードディスクにダウンロードして利用する(オンラインゲームもある)。ただし,容量が大きいDCタイトルは,ブロードバンド回線とはいえ,ダウンロードに時間がかかり過ぎる。そこでエクサイドでは,「セガの協力のもと,回線に合う形で(タイトル自体を)モディファイする」(同社)としている。

 このほか,同じく出資企業となったエイベックスが音楽やビデオといったコンテンツを提供する計画もある。「出資企業のセガ,ナムコ,エイベックスに加え,カプコンからもソフトが提供される計画だ。ゲーム,音楽,そしてコミックなど,エンターテイメントに関する多岐にわたる配信事業を手掛けていく」(エクサイド)。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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