一足お先に22Mbps? メルコが新無線LAN製品群を世界同時発表IEEE 802.11gの策定は待っていられない,とばかりにメルコが最大22Mbpsの無線LANアクセスポイントとPCカードを市場投入する。既存のIEEE 802.11bカードでも利用できる下位互換性が最大のメリットだ。
IEEE 802.11gの策定は待っていられない,とばかりにメルコが最大22Mbpsの無線LANアクセスポイントとPCカードを市場投入する。メルコおよび米Buffalo Technologyなど同社の海外法人4社は10月31日,最大22Mbpsの無線LANシステムの世界同時発表を行った。IEEE 802.11bと同じ2.4GHz帯を使い,下位互換性を確保しているのがメリットだ。 シリーズ名は「AirStation 2x」(エアステーション・ツーエックス)。米Texas Instruments(TI)のチップを採用し,TI独自の2xモードを搭載したことが名前の由来だ。転送速度は,1/2/5.5/11/22Mbpsの自動切換え式。11MbpsモードではWi-Fiの認証を得ており,IEEE 802.11b対応製品との混在環境でも利用できる。また,セキュリティとして,これもTI独自の256ビットWEPを採用した。 最初のラインアップは,アクセスポイント(AP)の「WLA-T22G」と無線LANカードの「WLI-CB-T22G」。高速化に伴い,PCカードはCardBus対応となる。価格は,APの欧米モデルで219ドル,PCカードは99ドル。日本投入時はそれぞれ3万3000円と1万2000円程度になる見込みだ。またメルコは,ルータ内蔵モデルとして「WLAR-T22G-L」を追加することも予告している。第1弾の2製品は,12月下旬に欧米で発売し,日本では2月上旬に市場投入する予定だ。
気になるのはデータ伝送の実効値だが,同社では「社内の試験環境では13〜14Mbpsの実効速度を記録した。最近増えてきた最大8MbpsのADSLやFTTHのような高速環境にも十分対応できる」と話す。現在主流のIEEE 802.11bは最大11Mbpsの仕様だが,実効速度は3〜4Mbpsに止まり,高速化するアクセス回線への対応が課題になっていた。 一方,ソニーなどはより高速なIEEE 802.11aを推進しているが「われわれはインターネット接続にフォーカスしている。ホームネットワークでのMPEG-2伝送を前提としたソニーとは用途が異なる」とした。また,2.4GHz帯なら,電波の特性上,5GHz帯を使うIEEE 802.11aよりも伝送距離の点で有利になるという判断もある。ただし,メルコも5GHz帯を捨てているわけではなく,「社内では春以降の出荷を前提に検討を進めている」という。 標準化が先? 製品が先?メルコが採用したTI製チップは,TIが2000年末に買収したアラントロコミュニケーションズの「Alantro」技術を使ったものだ。現在,IEEEの802.11gタスクフォースでは,Alantroを含む多くの技術を検討しているが,TIはAlantroの無償ライセンス化やチップ量産によるコストメリット拡大を積極的に進め,先にデファクトスタンダード(事実上の標準)を作り出そうとしている。デファクトスタンダードの仕様を,標準化機関が後追いで批准することも多い。 また,米国の連邦通信委員会(FCC)もWi-Fiの高速化に向けて年内には最終的な判断を下すといわれており,メルコ&TIの動きは,これを後押しする意図があると見られる。 関連記事 関連リンク [芹澤隆徳,ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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