ASPではない? NTT東西がコンテンツ配信代行ビジネス

NTT東西地域会社がコンテンツ配信代行ビジネスを相次いで発表した。しかし,事業範囲が限定されている両社だけに,今回のサービスも議論を呼びそうだ。

【国内記事】 2001年11月7日更新

 NTT東西地域会社は11月7日,地域IP網を使ったコンテンツ配信代行ビジネスを相次いで発表した。これは,NTT東西が用意したサーバにコンテンツプロバイダが動画や音楽コンテンツなどを登録し,フレッツユーザー向けに配信するというもの。しかし,事業範囲を規制されている両社だけに,今回のサービスも議論を呼びそうだ。

 配信代行サービスは,地域IP網を使ったコンテンツ流通の環境を整え,コンテンツディストリビューターの参入を促すのが狙い。フレッツのコンテンツを充実させ,ユーザーを拡大することにつなげる。地域IP網は,都道府県単位で設けられたIPネットワーク。インターネットと切り離されているため,網内ならセキュリティ面や大容量コンテンツの配信に有利だ。発表によると,有料のコンテンツ配信も行えるように課金代行サービスを提供するうえ,NTT東日本は料金回収まで代行するという。

 サービス名称は,NTT東日本が「フレッツ・オンデマンド」。町田市および稲城市の一部を除く東京都内をサービスエリアとする。NTT西日本は特にブランド名を設けておらず,大阪府内がエリアとなる。サービスの開始は両社とも11月26日から。

 コンテンツを視聴できるのは,当該地区のフレッツ・ISDN,フレッツ・ADSL,Bフレッツの契約ユーザー。網内にあるフレッツユーザー向けの情報サイト「フレッツ・スクウェア」をコンテンツの入り口にする計画で,これまでフレッツ・スクウェアを設けていなかったNTT西日本も,同日設置を発表した。

NTT東日本の配信イメージ。有料コンテンツの場合,同社が情報料の請求や回収までを行う

NTT西日本の配信イメージ。課金代行サービスの決済方法はクレジットカードのみ。最低10円から1円刻みで設定可能だ

 しかし,NTT地域会社は事業範囲を細かく規制されており,ISP/ASPに類する事業を展開することはできない。このため,今回の配信代行サービスも,コンテンツ配信事業者に対する「場の提供」という位置付けだ。NTT西日本では,「今回のサービスは,フレッツ・オフィスサービスの情報配信用サーバを各事業者が共用する形で,料金設定や登録作業などはすべて事業者側が行う。主体はあくまでも事業者であり,いわゆるASPではない」と話している。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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