シーエヌアイ,韓国主要6局のテレビ番組をネット上で同時放送テレビ番組と100%同じコンテンツをネットでも流す。日本ではなかなか実現しないこのサービスが,韓国のテレビ番組で実現した。
ネットワーク活用に関するマーケットプロモーション事業を展開するシーエヌアイとエヌ・ティ・ティ・エムイー(NTT-ME)は11月12日,NTT-MEのCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)を通して,韓国の主要テレビ局6局の番組をインターネット上で日本国内向けに配信するサービス「GoLMTV」を14日から開始すると発表した。GoLMTVのページで会員登録できる。
現地での実際の放送からは数秒遅れるものの,PC上で韓国のテレビ番組の映像を24時間ほぼリアルタイムに視聴できる。料金はWAKWAK会員が月額1480円,WAKWAK以外のISPを利用しているユーザーは同1580円が必要。約100万人といわれる在日韓国人や,韓国に興味のあるユーザー,韓国語を勉強したいユーザーが主な対象という。
韓国通信の社内ベンチャー企業であるリリックメディアの映像配信技術「LMTV」(Lyric Media TV)を採用しており,複数チャネルの番組をPC上で同時閲覧しつつ,見たい番組を選択することができる。データをその都度韓国のデータセンターに取りに行かねばならないため,チャネルの切り替えに十数秒かかるのが難点だが,「画像のクオリティは従来より気を使った」(NTT-ME)と話すとおり,比較的コマ落ちが少ない動画を視聴できる。
利用できる環境は300Kbps以上となっており,700Kbps以上の環境を推奨している。シーエヌアイでは「VHSビデオクラスの高品質な映像と音声」とうたっている。なお視聴には,専用のGoLMTV専用視聴ソフト(無償)が必要となる。 ネットワークには地域IP網を使用今回のコンテンツ配信で利用されるのは,NTT-MEのブロードバンドコンテンツ配信サービス「WAKWAKキャスト」だ。主な仕組みは以下のとおり。 まず,韓国で放送された番組はいったん韓国のデータセンターに送られ,そこからインターネット経由で東京のCDNセンターサーバに集められる。届いたデータは全国11カ所に配備されたキャッシュサーバに送られ,各地のユーザーアクセスに割り当てられる。 「まともに東京のデータセンターから配信すると,膨大なトラフィックになってしまい,いくらバックボーンがあっても足りない。データを中継して,地域IP網に直結したサーバサイトに送ることで,フレッツADSLやBフレッツのユーザーなら地域IP網からダイレクトにキャッシュサーバにアクセスすることができる」(NTT-MEの金田本部長) NTT-MEによれば,WAKWAKキャストを通してライブ配信が行われるのは今回が始めて。今後は広告コンテンツの配信や,映画,スポーツ,ニュースなどのエンターテイメント系コンテンツ配信にも利用していきたいという。 夢の実現に,一歩NTT-MEはブロードバンドサービスの事業展開としてテレビ電話を利用したビデオチャット(11月5日の記事参照)とWAKWAKキャストなどを利用したブロードキャストを2本の柱にすえている。NTT-MEの金田本部長は,「今回のサービスにはわれわれも非常に期待している」と語る。 「従来も浜崎あゆみのライブ配信など一過性のものはやっていたが,定常的に大規模な“放送型”ブロードバンドサービスを配信するのはこれが初めて。今後は通信と放送の融合が本格化するだろう」 両社によれば,今後NTT-MEが12月に発売予定のSTB(セットトップボックス),「わくわくステーションII」にサービスを対応させることも計画中だという。実現すれば,日本のテレビからインターネット経由で韓国の放送を閲覧することも可能。実際はLMTV(Lyric Media TV)のための機能をどのようにわくわくステーションに付加するかが問題になるが,後からアップデートすることも含めて,NTT-MEは検討を進めている。
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