ソニーがAOLおよびNokiaと提携,ネットワーク対応AV機器の基盤整備へ

ホームゲートウェイやネットワーク対応AV機器の開発を目指すソニーは,AOL Time WarnerやNokiaと歩調を合わせることで,将来のスタンダードを狙う。

【国内記事】 2001年11月13日更新

 ソニーは11月12日,米ラスベガスで開催中の「COMDEX/Fall 2001」にあわせ,米AOL Time WarnerおよびNokiaとの提携を発表した。他社と歩調を合わせて将来のネットワーク対応AV機器を開発,サービスの相互接続性を確保する。オンラインコンテンツを利便性の高い形でエンドユーザーに提供するとともに,競争優位を確保する狙いがある。

 ソニーは,AOL Time Warnerと共同でブロードバンドを前提としたホームゲートウェイを開発する。ホームサーバとしての機能も盛り込み,著作権を保護した形で蓄積したコンテンツを宅内のPCや家電製品で共有できるようにする予定だ。また,ネットワーク対応AV機器に搭載するブラウザの共同開発を進め,他社にライセンス供与することで将来のスタンダードを目指す。

 さらにソニーは,これらのネットワーク対応AV機器を携帯端末と連携させ,家庭内に限らず,“いつでも,どこでも”ネットワークサービスを享受できるユビキタス・バリュー・ネットワークを構成するというビジョンを持っている。Nokiaとの提携は,それぞれのサービスを相互に接続・利用するためのミドルウェアプラットフォームを開発するというもの。具体的には,ユーザーインタフェース,コンテンツダウンロード技術,IPv6の互換性確保,そしてデジタル著作権技術などが挙げられている。

 「シームレスかつインタラクティブな方法でデータやコンテンツのやり取りが可能になる環境を創造する。これは,Nokiaとソニーの共通したビジョンだ」(NokiaのCEO,Jorma Ollila氏)。

米国市場のアクセスラインを確保

 今回の提携には,ソニー製のネットワーク対応AV機器を利用する際のアクセスラインを,米国でAOLが提供するという項目も含まれた。ユーザーは,これらのAV機器を使い,PCと同様にネットワークサービスを利用できるようになるという。なお,開発を進めるネットワークソフトウェアやサービスに関しては,オープンなアーキテクチャを採用する方針だ。

 「ソニーは年間1億台以上のハードウェアを販売している。それらがネットワーク化されることで,さまざまなコンテンツサービスにアクセスすることが可能になる」(ソニーの出井伸之会長)。

 COMDEX/Fallの展示会場では,ソニーが今後のハードウェア開発の方向性を示したという「ネットワーク対応TV」や「腕時計型携帯端末」の試作機,および機器同士が近付くと相互に認識する新しいユーザーインタフェース技術「FEEL」(仮称)などが展示されている。これらの詳細については,追って現地レポートを掲載する予定だ。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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