携帯でリクエストできるコンテンツ〜渋・ドコフェア開催

NTTと東急によるコンテンツ配信実験「渋・ドコフェア」を体験した。iモード端末でリクエストを送信し,大画面に表示するという新しいスタイルを提案。若者を中心に受け入れられた様子だ。

【国内記事】 2001年11月26日更新

 絶好の行楽日和となった11月23〜25日の三連休。NTT持株会社と東急エージェンシーがブロードバンドコンテンツの配信実験「渋・ドコフェア」を実施した。これは,東急東横線の車両内や駅ホームに端末を置き,ライブカメラの映像や映画の予告編などを配信するというもの(11月20日の記事を参照)。光ファイバーや無線LANを使った配信実験は珍しくもないが,今回はiモード携帯電話で見たいコンテンツをリクエストできる点がユニークだ。

「渋・ドコフェア」の展示スペース。中央のディスプレイは「東京1週間」のコンテンツを,また中央左のディスプレイはCMを流している

100インチのリアプロジェクターに映し出されているのは,「セルリアンタワー東急ホテル」に設置したライブカメラの映像

 東横線の改札を抜けると,すぐ横に渋・ドコフェアの街頭ディスプレイ(展示スペース)が設けられていた。壁のようなディスプレイに5つのモニタが埋め込まれており,このうち3台に対してiモード端末からリクエストを送ることができる。

 早速,iモード携帯電話を取り出して専用サイトに接続してみた。端末番号を入力すると,コンテンツ一覧が表示される。いくつかの映画プレビューの中から,今回は「ハリー・ポッター」を選択してみよう。しばらく待つと,モニタ上で予告編が始まった。

iモードで2番端末を指定すると,映画予告編のリストが表示された。ここで「ハリー・ポッター」を選択

2番の画面で「ハリー・ポッター」の予告編がスタート。レスポンスは悪くない

 このほか,渋谷駅周辺に設置された定点カメラの画像や協賛各社の広告,講談社の雑誌「TOKYO1週間」によるエリア情報などを見ることもできる。定点カメラは,駅ホーム内と渋谷の「セルリアンタワー東急ホテル」に設置されており,AWA無線LANと光ファイバーでコンテンツサーバに接続していた。

広告の上に設置されたカメラ。AWA無線LANカードを装着したWebサーバに接続されている。映像は,6MbpsのMPEG2形式

電車内にもコンテンツを

 実験のもう1つの目玉は,渋谷〜桜木町間を走る東急東横線の車両内に設置した端末。ここでもTOKYO1週間のコンテンツや定点カメラの映像を見ることができる。ただし,走行中に通信を行うわけではなく,自由が丘駅と渋谷駅のホームに設置された2.4GHz無線LANシステム(IEEE 802.11b準拠)を使い,停車している間にコンテンツを更新する仕組み。したがって,ライブカメラの映像を見るのは停車中(自由が丘駅,渋谷駅)に限られるという。

電車内に設けられたコンテンツ配信端末。講談社の情報誌「TOKYO 1週間」が提供するエリア情報にURLを記載しており,iモード端末でアクセスすることで電子クーポンなどをダウンロードできる

 NTTサイバーソリューション研究所,マルチメディア端末プロジェクトグループリーダの中嶌信弥主幹研究員によると,実験の主旨は「光マーケットクリエーション活動の一環として,電車内や駅のホームに設置した端末を使った広告配信などの市場性を探ること」。

 将来的には,街角で見つけた広告をもとに,携帯電話で詳細情報を入手したり,その場で予約して自宅のPCにコンテンツをダウンロードしておく,といったサービス形態が考えられるという。Bluetoothの搭載が進み,プッシュ型の情報配信が可能になれば,今回のようにURLを入力する手間もなくなる。中吊りに代わる広告メディアとして,市場性は高そうだ。

NTTサイバーソリューション研究所の中嶌信弥主幹研究員

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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