Yahoo! BBの開通遅れについて孫社長が説明

「個人的には言い訳は嫌いだが……」とソフトバンクの孫正義社長は語り始めた。

【国内記事】 2001年12月18日更新

 新サービス「BB Phone」発表の席で,ソフトバンクの孫正義社長は「個人的には言い訳は嫌いだが……」としながら,Yahoo! BB事業における“事務手続き”の説明に長い時間を割いた。

 同氏によると,開通を遅らせる要因になったのは主に4点。NTT局舎間をつなぐダークファイバーの調達に時間がかかったこと。NTT局舎内のコロケーションスペース確保に手間取ったこと。併せて局舎内の電源確保が思うように進まなかったこと。そして,個々のユーザーが開通するまでに必要な事務手続きに不慣れだったことだ。

 Yahoo! BBでは,大半の中継系回線をNTTのダークファイバーで構築している。未使用のダークファイバーを借り受ける際には,まずNTT東西地域会社に対して空きファイバーの有無を確認する必要があるが,当初は調査依頼全体の7割近くが“ない”という回答だった。再度調査を申し込むなど「粘り強く交渉を重ね」,結果的には98%程度は確保できたが,時間は浪費されたという。NTT局舎内のコロケーションスペースも同様で,「“ない”と言われた場所は別のフロアを探すなどして対処した」(同氏)。

 コロケーションスペースについては,結果的に1局あたり数万回線分に上るスペースを予約した模様だが(11月20日の記事を参照),より困難だったのは機器の設置に不可欠な電源の確保だった。「850のNTT局舎で自前の電源工事を行った。また,工事をするにも事前に図面を入手するところで時間がかかった」と,NTT側の対応を批判する。「じっと待っていたらさらに数カ月はかかっていただろう」(同氏)。

 4点目の事務手続きに関しては,同社の顧客データベースの整備が遅れたことに起因している。「1人のユーザーが開通するまでにNTTとは20数回におよぶやり取りが必要だった。こうした手続きに不慣れだったため,データベースを整備するのに時間がかかった」という。

 基本的にサービスの遅れはNTT側の責任であると主張する同氏だが,一方で「現場レベルでは(NTTの担当者に)誠意のある態度を見せてもらっている」とフォローする場面も見られた。

 なお,BB Phoneの開始にあたっては,「サポート体制についても学習能力を発揮する」と話していた。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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