BBコンテンツへのアンチテーゼ? ビジー・ビーの「BB-station」サービスビジー・ビーは,オンライン生活情報局「BB-station」を1月中に開始する。専用ビューアをNECのPCにプリインストール。毎月100番組以上を無料配信する。ただし,動画は28Kbps固定だ。
通信ベンチャーのビジー・ビーは1月10日,NECの全面協力のもと,オンライン生活情報局「ブロードバンド メディア ステーション」(BB-station)のサービスを開始すると発表した。2月以降に発売されるNECのコンシューマーPC全モデルに専用ソフトをプリインストール。実用的なコンテンツをそろえ,「インターネットを生活の一部にする」という。 BB-stationでは,「生島ヒロシの手間なし健康法」「桂由美のLove×2ブライダル」など,著名人を起用し,かつ実用性の高いものを多数ラインアップした。これを10のチャンネルでそれぞれ8番組,1カ月間に100番組以上を無料で配信する予定だ。 番組は,TVを模したユーザーインタフェースの上で,フラッシュアニメーションとWindows Mediaストリーミングを組み合わせた形式。ただし,動画のビットレートは28Kbps固定だ。“ブロードバンド”を謳いながら,最近のブロードバンドコンテンツのイメージには程遠い。また,同社の牟田口陽介社長によると,開始当初はインタラクティブ性のあるコンテンツも用意しないという。
これは,56Kbpsモデムでも問題なく視聴できることを目指したため。動画自体は小さくなるが,分かりやすいインタフェースと操作の手間がかからない受動的なコンテンツと併せ,視聴者の敷居を低くする目的がある。ターゲットは,主婦,子ども,シニア層といった,いわゆる“情報弱者”だ。 「世の中には,大画面テレビを持っている人もいれば,逆に14型で満足している人もいる。コンテンツは,画質よりも内容だ。画質にこだわるのは,むしろ情報強者といえる人たちであり,メインターゲットではない」(牟田口氏)。 BB-stationは,PCの知識のない人たちが,PCを使う“動機付け”になることを目指している。牟田口社長は,これをブロードバンド市場の拡大に伴う「大衆化」を見越した判断だという。
収益は企業向けサービスでもっとも,コンテンツを無料で提供しているだけでは利益は上がらない。景気の減速に伴い,広告市場も不調のまま。無料コンテンツを提供してもビジネスにはならない。 牟田口社長は,BB-stationを企業からユーザーに向けた情報提供のプラットフォームとすることで利益をあげると話す。そのスキームは,以下のようなものだ。 まず,ビジー・ビーと提携した企業が専用のCD-ROMをつくり,ユーザーに無償配布する。PCメーカーなら,その中にサポート情報(FAQなど)を入れておき,番組形式で閲覧できるようにする。加えて,ドライバの更新情報やキャンペーンの告知などをオンラインでプッシュ配信。ユーザーがBB-stationのコンテンツを継続的に視聴していれば,自動的に最新情報まで入手できる仕組みだ。 「企業はサポートのコスト増大に苦労している。生活情報が観たい,という動機がサポート情報まで繋がれば,サポートの手間とコストを抑え,CS(顧客満足度)の向上と販売の促進まで期待できる」(同氏)。実際,NECに加えて既にエプソン・ダイレクトもコンテンツパートナーとして名を連ねた。 同社では,年内に60万人の視聴者と約20社の顧客企業獲得を目指す。また,プラットフォームビジネスに広告や有料コンテンツなどの付帯ビジネスを併せ,初年度15億円の売上を見込んでいるという。 ともすれば,大画面・高画質に走りがちなブロードバンドコンテンツにあって,敷居をさげることを優先したビジー・ビー。同社の試みは,市場に1つのアンチテーゼを示しているようにもみえる。
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