ストリーミング広告“特有”の問題とは――Jストリーム

ブロードバンド環境では,広告も動画になリ得る。しかしそこにはまだ課題も多いようだ。

【国内記事】 2002年1月15日更新

 ブロードバンド環境が整えば,ストリーミング広告も実現可能になる。10日に開催されたEC研究会フォーラムでは,ストリーミング・ソリューションを提供するJストリームの白石清社長が「去年あたりから(サービス提供に向けた動きが)始まってきた」と話し(12月6日の記事参照),その上でストリーミング広告が抱える課題をいくつか紹介した。

「肖像権は処理方法が未解決」

 白石氏がまず指摘したのは,権利処理の問題。ストリーミング広告は現状,どうしてもテレビのコマーシャルフィルムを使いまわすかたちになる。だがその場合,登場する人物全員に許可を得る必要が生じる。

 ブロードバンド・コンテンツが著作権の問題に悩まされているのはよく言われる話だが(12月17日の記事参照),広告の場合,タレントの“肖像権”が問題になってくる。そしてこちらはより“タチが悪い”という。

 「著作権は(解決の)方向が見えてきたが,著作隣接権や肖像権については処理方法が未解決」(白石氏)。同氏によれば,政府もこの問題への対処を進めているが,まだ不十分だという。

「広告ならではの処理が必要」

 第2の課題は,広告には広告ならではの処理が必要になる点だ。

 「たとえばキリンビールの広告を,アサヒビールのホームページで流すわけにはいかない」(白石氏)。広告が配信されるサイトがどのような性格のものか,十分注意する必要があるという。

 また,地域限定発売の製品であれば,その販売地域以外で視聴しているユーザーには広告は無意味となる。当然,そうしたユーザーに配信しないような仕組みにしなくてはならないわけだ。

 現在,上記のような課題に対処できるよう,電通や博報堂が広告システムの整備にとりくんでいるという。

 白石氏によれば「問題は,徐々に解決してきているが,完全にはまだまだ遠い」。同氏は広告を含んだストリーミングの現状について「地道にシステム化が進んでいる段階」と表現した。

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[杉浦正武,ITmedia]

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