Streaming Now!〜流れをつかめ!

連載の主旨に反して,最近は小言ばかり多くなってしまった筆者が一念発起。明るい話題を探してきたらしい。さて?

【国内記事】 2002年1月24日更新

 どうもイケナい。「ストリーミングを盛り上げていきましょう!」ということで始めたハズの連載なのに,いつも「これはダメ」「あれもダメ」と小言ばかり言っているような気がしている。「では最新テクノロジーの話でもしようか……」とも思うのだが,ここ2〜3カ月,米国と日本の主なテーマはMPEG-4はどうなっていくのか?」ばかりで,その中身のほうは進展がなかったりする……。うーむ。せめて今回は,「これはアリ!」という話で盛り上げたい。

ニッチに攻めなければならない訳

「ストリーミングはメジャーには成り得ない」。これがこの連載を続けてきた「今のところの」結論である。「今のところの」というのは,現状のクオリティなどのことを言っているのであり,いくらでも変わっていく可能性はある。

 別に悲観的なことを言っているつもりはないし,「マイナーはメジャーにかなわない」などという気も毛頭ない。問題は,そのマイナー性をどうやって利点と考えるか,というところではないだろうか?

 そこでキーワードとなるのが「よりニッチに,よりパーソナルに」ということなのだ。これは私が最近,ことあるごとに言っているのだが(この連載でも言っているが),「インターネットだからより多くの人に」という発想はあまりよろしくないと思うのだ。    テレビが多くの人に受け入れられるのは,品質も企画もきちんとしたものだからである。ところが,現状のストリーミングの品質を考えると,テレビ慣れした人達に訴えかける作品をつくるというのはなかなか難しいもの……。

 だから,例えばテレビ局がクオリティの高いものをストリーミングする場合は別として,映像の専門化でない人が参入する時は,ターゲットを決めて,特定の人を対象にする。そして,地理的なハンディ,はたまた「テレビでなかなか放送されない」というハンディを補うためのメディアだと考える。そうすれば,非常に有意義なメディアになるのではないかと思うのである。「よりニッチに,よりパーソナルに」というのは,そういう意味である。

「ブロードバンド・ラブ」はアリ!

 その究極は,ある意味ではビデオチャットであり,最終的には携帯電話を利用したテレビ電話,ということになるのだろう。しかし,1対1だけでないコミュニケーションが生まれる可能性がなければ,単なるテレビ電話で終わってしまう。一対多で成立する形態はないものだろうか?    ……と,探していたところ,いいのがありました! ShowTimeの「ブロードバンド・ラブ」。これはいい! いや,必ずしもいい企画かどうかという話しではないのだが……。バレンタインだということで,女性がカメラに向かって愛の告白をし,それをストリーミング放送する……いいじゃありませんか。この恥ずかしさ,マイナーっぽさが,今のストリーミングというメディアに合っていると思う次第である。


24時間ぶっ通しで“愛の告白”を放送する「ブロードバンド・ラブ」

 正式サイトが2月1日オープンということで,まだ私も把握しきれていないのだが,おそらく,多くの女性が愛の告白をしているところを,家でニヤニヤしながら見ることができるのだと思う(別に正座して真面目に聞いてもいいのだとは思うが……)。ついでに会社で集まって,「お,この子,カワイイ」とかバカなことを言いながら楽しんでもいいだろう。

 このあたり,「今はまだ,ストリーミングはそのくらいのメディアだ」と受け止めていたほうがいいと私は思っている。そのあたりのさじ加減が非常にいいなーと思うワケである。

公募系はストリーミング向きである

 こういった公募系のコンテンツというのは,実は,「特定の人に向けたメッセージなんだけれども他の人も楽しめる」という,究極のマイナーパワーを発揮できる宝庫なのである。これはストリーミング向き,いや,インターネット向きだ。

 同じようにコンテストのようなものも効果的である。今どき,ロックバンドのコンテストをテレビでやっても誰も見ないかもしれないが,インターネットを通じてきちんと告知すれば,見たがる人達は必ずいる。「テレビ番組でマジメに見る程ではないが,それなりに興味があるから見る」というワケだ。

 それに投票の仕組みを作るもよし,視聴者アンケートをとるもよし,そのアンケート結果を渡すことを前提にスポンサーをつけるもよし,と,いろいろと世界が広がってくる。

 同様に,ストリーミングを使って「ミス○○コンテスト」をやれば,その筋のマニアが必ずチェックするだろう(コワー……)。いや,要するに,キーワードさえしっかりしていれば,集客ができるし,そこからコミュニティを形成することもできるのだ,きっと。

 ただ,コンテンツに対しての課金というのが,果たして定着するものなのか否か,私はまだ結論を出せていない。そういった意味で,先に紹介したShowTime(実は有線ブロードと楽天が始めるサービスなのだ)の動向には要注目だ。課金制を取り入れるようなので,果たしてどのような結果になるのか,野次馬根性丸出しで見守っていきたい。あるいは,今後の国内の「ストリーミング課金」の在り方にも何らかの影響を与えることになるかもしれないから。

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[姉歯康,ITmedia]

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