NASDAとJSAT,“ネット衛星”に向けた実証実験

宇宙開発事業団(NASDA)とJSATは,超高速インターネット衛星に必要な要素技術の開発に取り組む。通信衛星「JCSAT-4A」を使った実証実験も行う予定だ。

【国内記事】 2002年1月25日更新

 宇宙開発事業団(NASDA)と衛星通信事業者のJSATは1月25日,超高速インターネット衛星「WINDS(Wideband InterNetworking engineering test and Demonstration Satellite)」の技術開発を進めるため,共同で要素技術の開発と実証実験を行うと発表した。

 インターネット衛星は,諸島部や山間部でも高速なインターネット接続環境を得られるため,地理的な情報格差の是正に役立つことが期待されている。NASDAが2005年の打ち上げを予定しているWINDSでは,国内だけでなく,アジア・太平洋地域にも広くインターネット接続を提供することができるという。


実験の概要(クリックで拡大)。出典はNASDA

 今回の共同研究の目的は,「衛星リソース自動割り当て技術」の開発と実証実験を行うこと。この技術は,小型地球局に対して,インターネット接続に必要な衛星側のリソースを自動的に割り当てる仕組みだ。衛星回線およびIP通信に関するパラメータを自動的に設定し,ユーザーは地球局を設置しただけでインターネット接続を可能になる。

 実験システムには,JSATが保有する商用通信衛星「JCSAT-4A」を利用。上り回線には携帯電話などの既設インフラを使い,地上のNOC(Network Operation Center)が衛星回線へのアップリンクやネットワークの運用・管理を統括する。

 地球局は,新潟県佐渡島や長崎県福江島,名護市を中心とする沖縄県北部地域などに設置する計画だ。また,アプリケーションの実験として,車載型アンテナと大容量サーバを搭載した自動車を使った遠隔教育の実験評価も行う予定。

 またNASDAでは,次の段階として,上り方向も衛星回線を使う双方向衛星通信システムに関する研究も予定しているという。

関連リンク
▼ 宇宙開発事業団(NASDA)
▼ JSAT
▼ i-Space利用実験計画概要

[芹澤隆徳,ITmedia]

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