LifeStyle：“スペース”だけでは終わらないコロケーション問題

“スペース”だけでは終わらないコロケーション問題

コロケーションの問題は，単に床面積を確保するだけでは終わらない。以前から指摘されている，NTT局舎内のレイアウトや電源の問題は残されたままだ。

【国内記事】 2002年2月20日更新

　ビー・ビー・テクノロジーのコロケーションスペース開放で，各DSL事業者は，一息つける状況になりそうだ。しかし，問題は単に床面積を確保するだけでは終わらない。

　例えばイー・アクセスの場合，8Mbpsサービスの拡大とともに新規の申込みが殺到し，「1月以降は，コンスタントに“増設待ち”の局が複数ある状態になってしまっている」（同社）が，その原因はコロケーションスペースの不足だけではないという。「NTT局内のレイアウトや，電源の準備に手間取ったことが大きい」。

　これは，確保したスペースがMDFから離れている，あるいは設備を置くための電源容量が足りない，といった問題だ。電源の増設は基本的にNTT側が担当するため，ほかのADSL事業者は待つしかない。NTTの電源増設を待ちきれず，自前で電源工事を行ったビー・ビー・テクノロジーのようなケースもある。

　2月1日に至り，イー・アクセスは総務省の「電気通信事業紛争処理委員会」に斡旋申請を提出した。これは，従来の方法ではコロケーションが困難だった12のNTT収容局について，NTT東日本側の対応改善を求めたもの。

　その後，「NTT東日本がスペースやMDFの効率利用などの見直しを精力的に行い，新たな提案を行った」（総務省）ため，14日までに両社の合意が成立した。総務省の発表資料にある「A社」とは，イー・アクセスのことだ。

　結果として，イー・アクセスは関東地方にある12のビルでコロケーションが可能になった。しかし，ビー・ビー・テクノロジーが開放したスペースが再配分されるに伴い，同様の問題がほかの収容局でも生じる可能性は否定できないだろう。同社では，「状況をみながら解決策を検討していく」としているが，コロケーション問題はしばらく尾を引きそうだ。

[芹澤隆徳，ITmedia]

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