速攻レビュー:「驚速ADSL」でYahoo! BBは本当に速くなるか?

ソースネクストが3月8日に発売する,ADSLの環境改善ソフト「驚速ADSL」ベータ版を手に入れた。早速,編集部で試してみた。

【国内記事】 2002年3月4日更新

 3月8日,ソースネクストから興味深いソフトが発売される。ユーザーのADSLを高速化するソフト「驚速ADSL」だ(2月15日の記事参照)。


 編集部では早速,この製品のYahoo! BB向けベータ版を入手した。ベータ版といっても,「製品版ではこれにバグフィクスを加える程度で,機能面では変わらない」(ソースネクスト)。実力はどれほどのものだろうか?

平均2.7MbpsのYahoo! BBで試す

 まずは,実験方法の説明から。速度計測に利用したのはこのサイト。トップページに並ぶメニューのうち「1.5〜3Mbps向け」の,「2Mバイト」のデータをダウンロードした。

 実験ではまず,ソフトをインストールする前に速度計測を5回。その後ソフトをインストールして,「高速化実行」(これはボタンを押すだけ)を行った後,再び5回の計測を行うという手順をとった。

インストール前(Mbps)インストール後(Mbps)
1回目2.7782.773
2回目2.8022.802
3回目2.5562.797
4回目2.7972.802
5回目2.8022.721
平均2.7472.779
アレレ? 変化はほとんどないような

 結果はご覧のとおり。なんと,まったくといっていいほど変化がない。一応,平均するとわずかに速くなったものの,これは誤差の範囲だろう。これでは記事にならない,編集長にしばかれる……と青ざめつつ,ソースネクストに確認してみる。

 「驚速ADSLは,ユーザーの環境に大きく左右されるソフト。数十%も高速になったケースもあれば,ほんのわずかしか速くならなかったケースもある」(ソースネクスト)。

 その違いを決定するものとしては,「いろいろあるが,一番大きいのはユーザーが使用しているOSだ」(ソースネクスト)。ズバリ,Windows 98/98SEを使用しているユーザーなどが,より速くなる傾向にあるという。逆に記者のようにWindows ME,あるいは2000,XPを使用するユーザーは,あまり速くならない場合もあるようだ。

 そもそも驚速ADSLがスループットを向上させる原理は,PC内部のレジストリを最適な設定に書き換えること。具体的には,データのパケットサイズの上限を決めるパラメータ「MTU」(Max Transfer Unit)や,データを受け取る時のバッファ量を表す「RWIN」(Receive Window Size)などを最適化するわけだ。

 Windows 98/98SEの出荷当時はダイヤルアップが前提だったため,これらの数値もモデムでの通信に最適化されていた。しかし先ほどの試験環境は,既にブロードバンドに対応したWindows MEだったため,目に見える変化がなかったということになる。一般に最新のOSほどブロードバンドに適した設定になっている場合が多いため,驚速ADSLの効果は薄れてしまうようだ。


驚速ADSL導入前の,記者PCにおけるMTUおよびRWIN設定(設定の確認にはこのサイトを利用)。RWINの設定が17520なのに注目
導入後。RWINが48180に書き換えられていることが分かる。これがYahoo! BBでの最適な設定というわけだ

平均3.8MbpsのYahoo! BBで試す

 それでは気をとりなおして,別のYahoo! BB回線で試してみよう。編集部のI氏の助力を得て,同氏の自宅にてWindows 98SE環境下で試してもらった。

 実験の方法は全く同じ。結果は次ページに。

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[杉浦正武,ITmedia]

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