アッカ,今年に入ってトップの伸び? ――好調のワケ

アッカ・ネットワークスのユーザー数が急増している。昨年12月末時点で15万人だった会員が,今年2月末には30万人に倍増。その理由は?

【国内記事】 2002年3月26日更新

 アッカ・ネットワークスの回線を利用するADSLユーザーが,急増している。同社がISPに提供する回線数は,昨年12月末時点で約15万2000回線だった。ところが,今年2月末では約29万8000回線と,ほぼ倍増の勢いだ。

 他社と比較すると,NTT東日本のADSLサービス加入者が,昨年末時点で約34万6500回線で,2月末では約45万回線(総務省調べ)。またYahoo! BB加入者は昨年末時点で約36万回線で(記事参照),2月末時点で45万5000回線(記事参照)となっている。

回線提供事業者昨年12月末今年2月末増分
アッカ・ネットワークス15万200029万800014万6000
NTT東日本34万650045万10万3500
ヤフー36万45万50009万5000
*数値の単位:回線

 アッカ・ネットワークス副社長の池田佳和氏は,「ユーザー数の増分は,今年に入ってトップのシェアでないか」と話す。

 理由として同氏が挙げたのは,「クオリティ重視の路線が,ユーザーの支持を集めた」こと。これと,昨年末のコロケーション問題解決(12月21日の記事参照)に伴い,NTTの局内工事待ちが解消したことがあいまって,今回の急増につながったようだ。

モデムなど関連機器の「質」に優れる,と

 アッカ・ネットワークスのクオリティ重視の姿勢は,1つにはDSLAMやADSLモデムなど,サービスに関連するソフトウェア・ハードウェアのバグフィックスに現れているという。

 「他社にさきがけて8Mbpsサービスを開始して以来,早くから時間をかけて(バグフィックスに)取り組んできた」(池田氏)。サービス開始当初は初期故障(12月6日の記事参照)があったのも事実で,その点はユーザーにあやまりたいとしたが,「他の事業者ではその後,別のメーカーの機器を利用して,いまだにバグが出ているところもある」と,その違いを強調した。

 また,ADSLモデムのファームウェアをバージョンアップして,ユーザーが自分で回線の品質状態を確認したり(キャリアチャートの表示=下図参照),設定を変えたりできるサービスを追加したことも,プラスに働いたと見る。


富士通製ADSLモデムによる,キャリアチャートの表示イメージ。どの周波数帯が速度が出ていないのか,ビジュアルに示す

 「ISDNとの干渉が大きい場合は,Annex Cの通信方式を通常のDBM(Dual BitMap)からFBM(Far End Cross Talk BitMap)に変更できるようにした。最高リンク速度が下り3424Kbpsに制限されるものの,安定して利用できるようになる」(同)。従来,事業者の管理下にあった通信方式の変更を,エンドユーザーにも開放したことは評価できる試みだろう。

「安さ重視」の流れが変わった?

 池田氏は,去年と今年では,ADSL加入者の質が違うと見る。

 「去年秋から冬にかけて,安さを重視するユーザーが一斉に申し込んだ。だが,そうしたコスト面に敏感なユーザーが加入する動きは,年末で一段落したのではないか」(同)。

 代わって,現在ADSLに加入しようとするユーザーは,サービスのクオリティを求めているとのこと。池田氏は地味に積み重ねたきたことが,効果を上げたと胸をはった。

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関連リンク
▼ アッカ・ネットワークス

[杉浦正武,ITmedia]

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