“いきなりブロードバンダー”に対処せよ!

「ネット初心者の中にいきなりブロードバンダーの存在を発見!」。スピードネットが発見したものとは?

【国内記事】 2002年4月11日更新

 4月11日,FWAサービスを提供するスピードネットがユニークなニュースリリースを出した。タイトルは「ネット初心者の中にいきなりブロードバンダーの存在を発見!」。ネット初心者の中に,ナローバンドの経験なしにブロードバンドユーザーとなった「いきなりブロードバンダー」が増えているらしい。

 このリリースは,スピードネットが20〜40代の女性および50歳以上の男女に対して行った意識調査をベースにしたもの。20〜40代女性のインターネット歴1年未満の初心者に限ってみると,ブロードバンドユーザーがナローバンドユーザーを大きく上回ったという。

「女性のPC初心者は早いうちから,または最初からブロードバンド環境でインターネットを始める傾向がうかがえる」(スピードネット)。

 今回の調査は,あるネットコミュニティのユーザーを対象としたものだ。それだけに,ユーザー層が偏り,またサンプル数も十分ではないため,資料としての信頼度は低い。要するに「当社は無線の特長を活かし,低価格で手軽にブロードバンド環境をお楽しみいただけるサービスを提供しております」(同社)と言いたいわけだ。

初心者を取り込め!

 リリースの動機はともかくとして,スピードネットの主張には頷ける。コストパフォーマンスを考えれば,常時接続のブロードバンドインフラを最初から導入する人が増えるのは当然のことだ。そしてこの流れは,それまでパワーユーザー中心のマーケティングを展開してきたキャリアやメーカーなどにも影響を与えている。

 例えば,当のスピードネットは「無料出張デモ」など,初心者に訴えるサービスを早くから展開している。ADSLに比べて情報の少ないFWAだけに,機器を実際に触り,担当者に質問する機会が用意されている点は有難い。

 一方,イー・アクセスは,ドコモAOLと共同で4月13日よりキャンペーンを実施する。ターゲットは,ずばり初心者だ。インターネット接続環境を持たないユーザーのため,全国のドコモショップや家電量販店の店頭でADSLの申込みを受け付けるほか,期間中は初期費用が無料になる。

 「従来は“ADSLへの乗り換え”を希望する既存インターネットユーザーが多かったが,今後は初心者のADSL新規加入が拡大すると見込まれる。各ISPとともにさまざまなキャンペーンを展開し,販売を強化する」(イー・アクセス)。

 アッカ・ネットワークスは,中長期成長戦略の中に「エンドユーザーのブロードバンド環境サポート」を組み込んだ。

 先日行われた事業戦略発表会の席上,同社の坂田好男社長は,「個人ユーザー拡大のため,初心者のサポートに力を入れる」ことを約束。その一端として,ADSLモデムにパーソナルサーバを組み込み,高機能化する方法を挙げた。もっとも,どのような機能を盛り込むのかは,「まだ秘密」(坂田社長)らしい。

 今後も増え続けるであろう“いきなりブロードバンダー”。それは一方で,広帯域インフラが一般化したことの表れでもある。キャリアや機器ベンダーは,状況の変化を歓迎し,初心者を受け入れる体制作りを目指している。

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[芹澤隆徳,ITmedia]

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