「SAYAKA」,ネット生出演で15万人殺到のインパクト

媒体への露出が少ないタレントの生出演は,何かと話題を集めるもの。ソニー・ミュージックレコーズは,SAYAKAの新曲発売に向けた初の生出演の場を,ネットに求めた。

【国内記事】 2002年5月1日更新

 4月29日,松田聖子さんの娘の新人アイドル「SAYAKA」さんがネット上で生出演し,多くの視聴者を集めた。これはタレント本人が初露出する媒体として“インターネット”を選択した,珍しい事例。結果として成功したことで,音楽業界でのプロモーション活動に,ネットが一定の力を持つことを示した。


 映像は,ソニー・ミュージックエンタテインメントの音楽情報サイト「MORRICH」で17時53分から18時にかけての7分間,生配信されたもの(4月10日の記事参照)。本人のコメントの後に5月9日に発売されるデビューシングル「ever since」のプロモーション映像を流すという内容だった。

 これにより,36時間で集計したユニークユーザー数が15万人に跳ね上がった。MORRICH側では「サーバなどの設備を通常の倍に増強して臨んだ」というが,それでも一部に視聴しにくいケースが出るほどの盛況ぶり。「ふだんMORRICHでも,ネット配信すると集客力のあるアーティストはいるが,これほどのケースは初めて」という。同サイトではこの結果を受け,急遽30日から3日間,無料オンデマンド配信することを決めている。

タレントとファンの接点としてのネット媒体

 今回の配信でMORRICH側は,「音楽業界では,情報をどこに初出しするかで,そのアーティストがどこにプライオリティを置いているか分かる部分がある」と胸を張る。

 「特にSAYAKAさんの場合,デビューシングルはフジテレビ系木曜夜10時のドラマ『ビッグマネー!』の主題歌になっている。このため,テレビ関係者は『なんでうちで初露出しないのか』と悔しがったろう」(MORRICH担当者)。

 今回のデビューシングルは,特定のCDから限定Webサイトにアクセスできるサービス「ConnecteD」とも連動している。これにより,CD購入者は,ジャケット撮影のオフショットなどを視聴できるなど,ネットを絡めたサービスを積極的に展開している。

 CD発売にあたりプロモーション活動をしかけたソニー・ミュージックレコーズは,「音楽CDを買ってもらおうとすると,アーティストの個性とか,人間くささを知って感情移入してもらう必要がある」と話す。

 「その上で,ある程度“出し惜しみ”しなければならない部分もある。そう考えていくと,Webサイト上で情報発信するのが最適と判断した」(ソニー・ミュージックレコーズ担当者)。同社は新聞広告でもサイトのURLを大きく掲載するなど,ネットへの誘導に気を配ったという。

 同担当者はまた,最近,タレントがホームページ上でファンに向けた情報発信をするケースが多いことを指摘する。「ネットでは,タレントとファンが直接コミュニケーションをとれる。今回の成功も踏まえて,魅力的な媒体と考えている」。

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[杉浦正武,ITmedia]

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