ヤマハ、IP電話やVPNに対応する多機能ルータを発表ヤマハは、IPv6やVoIP電話機能のサポートしたブロードバンドルータ「Net Volante」シリーズ2機種を発表した。あわせてVolante専用のDDNSを立ち上げ、ユーザー同士の無料通話を実現している
ヤマハは5月16日、ブロードバンドルータ「Net Volante」シリーズの新製品2機種を発表した。いずれもIPv6やVPN、VoIP電話機能をサポートした多機能ルータだ。また、同社が提供するDDNSを併用することで、Net Volanteユーザー同士は無料通話が可能になるという。 新製品は、ADSLやCATVといったブロードバンド回線に対応する「Net Volante RT56v」と、ISDNもサポートした「同RTA55i」の2機種。どちらもSIP(Session Initiation Protocol)対応のIP電話機能を搭載し、アナログポートに一般的な電話機を接続すれば、PCを起動していなくても通話できる。
SIP対応のIP電話(Phone to Phone)は、フュージョン・コミュニケーションズやイー・アクセスなどが計画中だが、ヤマハは既に、フュージョンと接続検証を進めている。 「総務省が検討している“050-”の電話番号が付与されれば、そのまま利用できるだろう」(同社AV・IT事業本部営業本部の関口博本部長)。
また、ヤマハは独自のDDNS「Net Volante DNSサービス」を立ち上げ、Net Volanteシリーズ同士の無料通話を可能にした(RTAW65を除く)。DDNSは、非固定のIPアドレスを固定的なドメインに割り当てるサービス。一般的なADSLのように、接続する度にIPアドレスの変わる場合でも個々のNet Volanteを特定できる仕組みだ。 「ユーザー同士は、##(シャープ2回)+専用電話番号で通話できる。企業の拠点間通話などに有効だ」(AV・IT事業本部通信機器開発部の高山明氏)。
もう1つの特徴は、同価格帯のブロードバンドルータとして初めてRC4暗号機能を搭載し、PPTPによるVPNのサポートしたこと。前述のNet Volante DNSサービスと連携すれば、ADSLなどの低価格な回線でVPNを構築できるという。もちろん、各種サーバの運用も可能だ。 ファイアウォールには、静的フィルタ/動的フィルタにくわえ、不正アクセス検知機能を備えた。ルータ内の不正侵入パターンデータベースと照合して侵入を検知し、ログに残す。ユーザーには、ブザーとメールで通知するが、設定によっては侵入したパケットをそのまま破棄させることも可能だ。
今回発表された2機種は、VoIPやIPv6をサポートすることで、今後は重要度が増すと予想されるコミュニケーション分野の強化を図った。また、セキュリティ面を強化し、ISDNにも対応するなど、多分に企業ユーザーを意識した製品となっている。 一方、実効スループットは12Mbpsと、最近のブロードバンドルータとしては少し控えめな数字だ。「ブロードバンドルータのスピード競争の時代は終わり、アプリケーションの重要性が増している。単なる高速ルータよりも“何ができるか”を重視した」(関口氏)。 ただし、FTTHなどの高速回線が普及期に入ったことも事実。これに対して高山氏は、「より高速な回線には、今後のラインアップ拡充で対応する計画だ。開発はかなり進んでいる」と話している。 関連記事 ヤマハ、「NetVolante」4機種をUPnP対応させるβ版ファーム SIP対応を表明したフュージョン、その思惑 イー・アクセスの新ファームウェアを試してみました 関連リンク ヤマハ [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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