ニュース 2002年5月28日 02:08 AM 更新

シュートシーンは無線LANで配信?

5月28日、FIFAワールドカップの開幕を目前に控えて、同大会の国際メディアセンター(IMC)見学会が開催された。大会運営上のネットワーク構成などを、のぞいた

 5月28日、FIFAワールドカップの開幕を目前に控えて、同大会の国際メディアセンター(IMC)見学会が開催された。大会のオフィシャルパートナーとして、ネットワークの構築を担った日本アバイアと、システムの構築サポートや運用・管理サービスを担う伊藤忠テクノサイエンス(CTC)が主催したものだ。

 FIFAワールドカップのネットワークは、1万数千人のメディア関係者がアクセスするほか、約4万人のボランティア、選手や関係者、それに主催者である日本/韓国のFIFA大会事務局が利用する大規模なものだ。4月末からのテストを経て、5月中旬より稼働を開始している。この上で、スケジューリングや参加者の身分照会、試合結果のレポート、あるいはバックエンドのロジスティクス関連のアプリケーションが稼働する。


本格稼働を開始した国際メディアセンターはとにかく広い。既に到着したプレスもおり、ボランティアスタッフと一緒にPCセッティング作業に取り組む姿も見られた

 従来の大会とは異なり、日本と韓国という2つの国をつなぐことから、今回のネットワーク構築は非常に複雑なものであり、アバイアにとって非常にエキサイティングな作業だったと、米アバイアで、FIFAワールドカップネットワーク構築プロジェクトの責任者を務めるダグ・ガードナー氏は述べている。

機器、トポロジともに完全冗長化

 大まかなネットワーク構造は次のようなものだ。

 まず、パシフィコ横浜と韓国の2カ所に設置されたIMCを国際IP-VPNで接続。日韓のIMCが互いにフェイルオーバーの機能を提供できるように設計されている。また、IMCはそれぞれ、国内のスタジアムや事務局を結ぶハブとしての役割を果たし、国内の拠点はATM網と、バックアップ回線の役割を果たす公衆網(PSTN)で二重に接続される。なお長距離回線はNTTコミュニケーションズやコリアテレコムが提供する。

 ガードナー氏は「製品においても設計においても冗長性を確保し、単一の障害点がないようにした」と述べており、4万以上のノード、1万台に及ぶネットワーク機器のすべてについて、信頼性について万全の体制を敷いたことを強調した。

 もう1つの特徴は、データと音声の統合だ。アバイアの「ECLIPS(Enterprise Class IP Solutions)」や「DEFINITY Enterprise Communications Server」、IPフォン/ソフトフォンを用いて、VoIPやビデオカンファレンスを実現している。今回は、マルチキャストストリーミングのように帯域を大きく消費するアプリケーションは導入していないこともあって、回線にはまだ余裕もあり、品質およびパフォーマンスを確保できているという。

 また、IMC内部および試合会場には、無線LANアクセスポイントを設置した。これにより例えば、「スタジアムで撮影した写真や記事を無線LAN経由で即座に送信し、これまでよりもすばやく速報を流すことができる」(ガードナー氏)。


IMC内に設置された無線アクセスポイント

 ただ、IMCにせよ各会場のスタジアムにせよ、通常のオフィスとは異なり、イーサネットで伝送可能な距離を超えて配線を行う必要がある。このため一部では、光ファイバとメディアコンバータを組み合わせてネットワークを構築するなど、いろいろと工夫を凝らしたそうだ。


IMCでは、各種ケーブルは地下を這う

 なおIMC内には、無線LANカードの販売およびインストールサービス、サポートを行うためのブースが設置されている。既に「ORiNOCO」無線LANクライアントを持っていれば、利用料金のみで利用できるという。


無線LANサポートセンターとスタッフ。当たり前だが日本語のほか英語、韓国語、フランス語など、各国の言語に対応したドライバを用意している

 セキュリティの側面では、ファイアウォール導入はもちろん、FIFA ATM外部に接続する場合にはVPNを利用することとした。一連のVPNクライアントおよびセキュリティ機器は、管理サーバによって一元的に監視・管理されるという。ちなみに、一般にエンタープライズ環境で課題とされる物理的・人的なセキュリティについては、国際空港並み、もしくはそれ以上に厳しい警備体制が敷かれている。

 アバイアでは同大会に備え、運用のサポート人員として、20カ国以上から200人におよぶエンジニアや技術者を派遣、日韓両国に配置している。またCTCからも延べ300人が、ネットワーク設計・構築のサポートや事前テストに携わった。


FIFAワールドカップネットワークの運用管理ルーム。FIFAのITスタッフだけでも240人に上るという

 会期中は、アバイアの日韓両オフィスだけでなく、米国およびシンガポールのリモートサイトを加え、計4カ所から24時間体制でネットワークの管理作業を行う。またCTCも、国内約60カ所のサービス・サポート拠点とFIFAのネットワークをリンクさせ、万一の際には速やかな対応を取れる体制を整えている。このネットワーク管理ツールには、アバイアの「CajunRules」「CajunView」と「EXPERT Systems」を利用していく。

関連リンク
▼ 日本アバイア
▼ 伊藤忠テクノサイエンス
▼ 2002 FIFA World Cup

[高橋睦美, ITmedia]

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