リッチコンテンツへの熱は冷めた?ガートナーの調査結果によると、ユーザーが求めるのはリッチコンテンツよりも常時接続環境だという
6月4日、ガートナージャパンの開催した「ブロードバンド&モバイル・ワイヤレス コンファレンス」で、ブロードバンドユーザーの実態に関する調査が発表された。ユーザーが求めるものは、リッチコンテンツよりも常時接続環境ということを示す内容だった。 調査は、今年に入ってGartner Infomation Associates(GIA)のメンバー1300人を対象に行われたもの。メンバーは、過去にガートナージャパンのカンファレンスに参加したり、同社の配信するニュースを購読したりしたユーザーから抽出した人々で、“アーリーアドプター”としての性格を持つ(昨年9月の記事を参照)。このため、調査は今後の市場動向を占うものとされている。 調査中、ブロードバンド化によるライフスタイルの変化については、「PCを使う時間が増えた」に「はい」と答えたユーザーが8割。一方で、「TVを見る時間が減った」に「はい」と答えたユーザーは4割弱、「新聞を見る時間が減った」という質問では2割に留まった。 ガートナージャパンの主席アナリスト、志賀嘉津士氏は、この結果について「期待したほどではなかった」とコメントする。「ユーザーはブロードバンドを、高速通信メディアととらえていない」(同)。 同社が別の機会に行った、2000年、2001年と連続して調査した結果でも、「ビデオなどのダウンロードやストリーミングに期待する」と答えたユーザーの比率は50%から40%へ減少している。“メディア”としての期待は、一時期より冷めているという。
ガートナージャパンによると、ユーザーがブロードバンドに求めているものは2つ。 「ブロードバンドの満足度に関する調査では、“定額制”に『大満足』(5段階評価の最高)と答えたユーザーが、5割以上に上った。また、“常時接続”にも4割を超すユーザーが『大満足』している。通常、大満足などという評定は、なかなか得られないものだ」(志賀氏)。 通信の速度や価格といったほかの項目ではなく、“定額制”と“常時接続”の2つを軸としてニーズがあると分析した。
もっとも、常時接続といっても言葉のとおり、常にPCがネットワーク上で稼動しているわけではない。志賀氏は常時接続に関する調査で、PCの電源を「使う時だけ入れる」と回答したユーザーが8割を超えたことを紹介する。 「PCの電源を入れたままでいる人は、リアルタイムに株価情報を取得したい人など、1割に満たないという結果が出ている。常時接続はもっと確立されるべき」(同)。 こうした状況下では、アプリケーションやコンテンツも従来型のものが使われるだろうという。常時接続ならではのキラーアプリはあまりないとされ、「強いていえば、IM(インスタント・メッセンジャー)だろうか……」。 ユーザーは(高速ではなく)“中速”で“定額制/常時接続”のインターネットを求めており、高速通信のもとでストリ―ミングコンテンツが視聴されるのは、まだ先の話。ただし、中期的にはリッチコンテンツへの潜在需要ももちろんあるため、2003年以降、状況はさらに変わっていくのではないか、と結論付けた。 関連記事 Big Pipe:コンテンツビジネスを優位に運ぶキーワード eラーニング利用者の意識調査、強制力の欠如やサービス内容に不満 〜ガートナー 関連リンク ガートナージャパン [杉浦正武, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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