ニュース 2002年6月6日 01:36 AM 更新

「globe」ライブ配信、NTT-BBとエイベックスの思惑

6月6日、日本武道館でglobeのライブが行われ、その模様がオンライン中継された。主催したNTT-BBとエイベックスにそれぞれの目的を聞いた

 6月6日、日本武道館でアーティスト「globe」による「globe tour 2002」が行われた。この模様は同日、NTT-BBの「BROBA」会員向けに1Mbpsで無料ライブ配信された。無料とはいえ、サービスを提供したNTT-BBとエイベックスにはそれぞれの思惑があるようだ。


globeのメンバー(クリックで拡大)。2002年には7thアルバム「Lights」をリリースしており、8thアルバム「Lights2」もリリース予定

NTT-BB「ライブ配信ではコミュニティ性を重視」

 今回のような1Mbpsのライブ配信は、さすがにネットワークにかかる負荷が大きい。BROBAはクローズドなネットワークである地域IP網を利用するとはいえ、サービスの規模は制限される。

 実際、NTT-BBは、4月7日にもglobeのライブを1Mbps配信している(記事参照)が、その際視聴ユーザー数を3000人に限定した。これにより、「特に問題は起こらなかった」(NTT-BB)とはいえ、一部のユーザーで遅延が発生して、バッファリングが必要になる事態も発生したことを認めている。

 だが、NTT-BBの狙いは、必ずしもより多くのユーザーにライブ映像を配信することではない。

 今回のライブでもそうだが、NTT-BBでは、ライブコンテンツを視聴中、ユーザー間で動画チャットを楽しめるようになっている。「一般に、単なる動画チャットはあっても、ライブコンテンツを視聴しながら同時に動画チャットを楽しめるサービスはあまりない」(NTT-BB)。

 BROBAのロゴを見ると、「O」の部分は「C」が重なったデザインになっていることが分かる。担当者は「ネットならではの“コミュニケーション”や“コミュニティ”といった“C”を重視して、サービスを展開したい」と話していた。

エイベックス「ライブ配信はエイベックスならでは」

 エイベックスは浜崎あゆみのカウントダウンライブをライブ中継するなど(記事参照)、ネット上でのライブ配信に積極的だ。

 これには、理由がある。ネット上のライブ配信では著作権のクリアランスが必須だが、エイベックスはこの点を比較的容易に行えるのだ。

 「今回のサービスに関わったところでは、プロダクションも、ネットワークを担当する企業も、撮影側も、みなグループ企業。これにより、著作権のとりまとめが非常にスムーズにいく」(エイベックス)。

 同社の担当者はまた、「(ネットワークを展開している事業者で)原盤権をしっかり持っているのは、うちとソニーさんぐらいではないか」ともコメント。ネット事業に進出しやすい素地ができあがっていることを強調した。

 サービスではライブ映像配信後、ユーザーをglobe関連のeコマースサイトに誘導する仕組みになっている。つまり、ライブの興奮冷めやらぬユーザーを呼び込み、関連グッズの売上につなげるわけだ。この際、eコマースサイトを運営する企業もまた、エイベックスのグループ会社だという。

 エイベックスにとってライブ配信は、いわば、グループ会社のリソースを結集してうまく事業展開できるサービス。担当者は今後も、さまざまなアーティストのライブを配信したいと話した。

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関連リンク
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[杉浦正武, ITmedia]

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