LifeStyle：ケーブルテレビ2002：DOCSIS 2.0対応ケーブルモデムが登場

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2002年6月12日　07:33 AM 更新

ケーブルテレビ2002
DOCSIS 2.0対応ケーブルモデムが登場

「ケーブルテレビ2002」では、ケーブルモデムの次世代仕様「DOCSIS 2.0」準拠のシステムが展示されている。伝送速度は、上り最大30Mbps、下り最大38Mbps。早ければ、今秋～冬頃にも対応するサービスが登場する見通しだ

　6月12日に開幕したCATV専門の展示会「ケーブルテレビ2002」では、米TERAYONのDOCSIS 2.0対応システムが展示された。場所は、TERAYONの国内代理店であるクロスビームネットワークスのブース。新型のケーブルモデム「TJ 735」とセンター装置の「BW 3500」と組み合わせ、実際に通信を行ってその速さをアピールしている。

TERAYONは、世界シェア第2位のケーブルモデムメーカー。住友商事の100％子会社であるクロスビームが国内の販売窓口になっている

　DOCSISは、米国の業界団体MCNS（Multimedia Cable Network System Partners）が1997年に策定したケーブルモデムの標準仕様。大量調達によるコストメリットやメーカーを問わない汎用性の高さから、国内のCATV事業者でも採用が進んでいる（関連記事1、2、3、4）。

　その次世代版となるDOCSIS 2.0は、S-CDMA (synchronous code division multiple access)とA-TDMA (advanced frequency agile time division multiple access）という2つのアクセス方式を採用し、特に上り方向の転送速度を従来の約6倍にまで引き上げたのが特長だ。また、現行の1.0/1.1との互換性確保、耐障害性の向上といったメリットもある（昨年9月の記事を参照）。

　TJ 735は、約40（幅）×170（奥行き）×142（高さ）ミリのコンパクトなケーブルモデムで、10/100BASE-TX対応のイーサネットポートにくわえ、USBポートを装備した。伝送速度は、上り最大30Mbps（S-CDMA、変調方式は128-QAM）、下り最大38Mbps（256-QAM時）におよぶ。

　クロスビームネットワークスブロードバンドシステム事業部の松岡逸郎氏によると、TJ 735には、すでに複数の事業者から“引き合い”が来ているという。「今月中にフィールド実験を行い、9月には出荷を開始する予定だ。早ければ、今秋～冬頃にも対応するサービスが登場するだろう」（同氏）。

展示では、大量の「TJ 735」とシャーシ型CMTS（Cable Modem Termination System：CATVのセンター側装置）の「BW 3500」を使用。BW 3500は、従来のDOCSIS 1.0/1.1にも対応しており、2.0のサービスと混在させることができる。このため、CATVインターネットサービスの段階的な高速化やラインアップ化が可能になるという

　また、クロスビームでは、国内のインフラ事情に合わせた仕様の改良も検討中だ。1つは、上りに55MHzまでの周波数帯を使い、上り最大30MbpsというTJ 735の能力を最大限に活用すること（米国仕様では24MHzまで）。2つめが、出力を70dBmVまでアップすること（標準は58dBmV）。これにより、「ケーブルの途中に設けるブースター（増幅機）の数を減らすことができる。集合住宅など、構内のケーブルが長くなるケースにも有効だろう」（松岡氏）。

　このほか、展示会場ではTERAYON製のケーブルモデム「TA 102」とアナログ電話機によるIP電話のデモンストレーションも行われていた。TA 102は、JT 735と同じDOCSIS 2.0対応ケーブルモデムにVoIP機能を搭載したもの。CATVのボイススタンダードとなった「PacketCable」に準拠している。

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