ニュース 2002年6月13日 02:04 AM 更新

ケーブルテレビ2002
「42Mbpsへの高速化に期待」――分科会

ケーブルテレビ2002で、CATVインターネットを高速化する技術が紹介された。総務省の新田氏は、事業者による256QAM変調方式の導入を期待するという

 6月13日、「ケーブルテレビ2002」の分科会IIで、CATVインターネットに関する技術動向が紹介された。総務省情報通信政策局、地域放送課の新田隆夫課長補佐は、多値変調方式などを高度化することにより、伝送容量が増えることにふれ、事業者による導入を望むと話した。


総務省情報通信政策局の新田課長補佐

 新田氏は講演の中で、ケーブルテレビの普及率が69.2%(2001年11月時点)にも上る“ケーブルテレビ先進国”米国の動向に言及。

 「米国の大手MSO(Multiple System Operator=複数の企業を統括運営するCATV事業者)の多くは、256QAM変調方式の導入、普及が進んでいる。わが国事業者でも、デジタル放送に向けた伝送技術として、従来の64QAM方式に加え256QAM方式の導入が期待される」(新田氏)。

 “QAM”とは、「Quadrature Amplitude Modulation=直交振幅変調」の略。デジタルデータをアナログ信号に変換する際に用いる変調方式で、振幅変調と位相変調とを組み合わせることで、狭い周波数帯域でもデジタル信号を伝送できる(2月15日の記事参照)。64QAMでは、64値のデジタル信号で変調し、256QAMでは、256値のデジタル信号で変調する。

 従来の64QAMによる伝送速度が30Mbpsであるのに対して、256QAMでは42Mbpsに増速する。誤り訂正用の情報を除いた伝送速度では、それぞれ29.2Mbpsと、37.5Mbs。その代わり、伝送路にはCN比(Carrier/Noise比)にして、64QAMの場合より7デシベル良い性能が要求される。つまり、伝送路に求められる条件がよりシビアになるわけだ。

 新田氏はさらに、「CATVインターネットは、将来的には1024QAM方式の導入も可能性としてある」とコメント。その場合、伝送速度は下り最大63Mbpsに達すると紹介した。

HFCとFTTHを併用

 同氏はまた、CATVインターネットをHFCからFTTHへと発展させる際のイメージにもふれた。

 「光伝送を行えば超高速インターネットアクセスが実現する。とはいえ、放送波については今のところ既存の同軸ケーブルで特段の問題はない」。

 同氏は既存HFC網を活用してFTTHのインターネットアクセス網を実現する場合、HFCの予備芯(既存のHFC伝送路)と加入者宅までの光ファイバーを通信専用にするべきと主張。放送用には、既存の同軸ネットワークを活用するのが現実的だろう、と話した(記事参照)。

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[杉浦正武, ITmedia]

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