ニュース 2002年6月13日 11:43 PM 更新

ケーブルテレビ2002
CATVはIPv6対応が容易〜知多メディアス

IPv6普及・高度化促進協議会に協力してIPv6対応の接続サービスを提供している知多メディアスネットワーク。同社によると、CATVはADSLなどに比べてIPv6への移行が容易だという

 愛知県東海市に本拠を置くケーブルテレビ事業者、知多メディアスネットワーク。同社は、昨年11月からIPv6普及・高度化促進協議会に協力してIPv6の実証実験を行っているが、「ケーブルテレビ2002」の展示会場でそのシステムを見ることができる。


NECケーブルメディアのブースに共同出展という形で知多メディアスのシステムを展示した

 IPv6普及・高度化促進協議会が行った一連のIPv6実験では、IP電話や外出先からiモード携帯電話でVTRの予約録画を可能にする「リモコンベースノード」など、いくつかのアプリケーションが用意された。もちろん、機材だけでは実証実験にならないため、FTTH/ADSL/CATVの事業者やISPが協力してIPv6ネットワークを一般ユーザーにも提供している。知多メディアスもその1社だ。

 実験に参加したのは商用サービス化を見越しての判断だが、機材にIPv6への移行パスが用意されていたことも後押ししたようだ。知多メディアス技術部の須田広志氏は、CATVインターネットは比較的IPv6への移行が簡単だと話す。


知多メディアスネットワーク技術部の須田広志氏

 例えば、ADSLではルータ(IPv4対応)内蔵型のモデムが多く使われているため、IPv6に移行する際には機材の変更が必要になる。これに対して、「ケーブルモデムは基本的にブリッジタイプのため、そのまま使える」(須田氏)。

 逆に、CATVで移行が難しいのは、局側モデムにルータ機能が搭載されているケースだが、知多メディアスが採用したNECケーブルメディアのヘッドエンドモデム「CM5520S」は分離型。これにより、最小限の追加投資でIPv6対応が可能になった。「やろうと思えば、明日から1万人のユーザーすべてをIPv6対応にすることもできる」。

モニターはセミプロ?


知多メディアスネットワークで実施したデュアルスタックサービスのネットワーク構成。IPv6対応IXの「NSPIXP6」にも接続済み

 知多メディアスの場合、現在のモニターは20人ほどで、「多くは大学や企業で(IPv6に)何らかの関わりがある人たち」という。試験サービスへの参加は無料だが、IPv4サービスについてはこれまでと同じ利用料金が必要だ。

 同社は、IPv6接続サービス(IPv6対応IXの「NSPIXP6」などに接続・IPv4ネットワークへのトランスレーションも提供)にくわえて、IPv6対応のメールサービスやウェブサーバも提供した。これは、できるだけ多くのアプリケーションをモニターに提供するため。ほかにも、宇宙開発事業団と協力してH-IIAロケットの打ち上げをIPv6ネットワークで中継するといった試みも行われている。

 しかし、IPv6普及・高度化促進協議会が実験したような“IPv6ならでは”のアプリケーションは未だ実用段階に入っておらず、普及の糸口は掴めない状況だ。このため、当初は半年間で試験を終了して商用サービスに移行する方針だった知多メディアスも、試験期間を年末まで延ばしている。

「どこかのタイミングで商用サービスに移行したいが、普及を促進するアプリケーションがない。準備は済んだので、あとは市場が形成されるのを待つだけ」(須田氏)。

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関連リンク
▼ 知多メディアス
▼ IPv6普及・高度化促進協議会

[芹澤隆徳, ITmedia]

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