ニュース 2002年6月13日 09:57 PM 更新

ケーブルテレビ2002
シスコ、CATV向けVoIPで「Dynamic QoS」をデモ

ケーブルテレビ2002会場で、シスコがDOCSIS 1.1対応機によるVoIPシステムのデモを行なっている。このデモではケーブルモデムとCMTS、コールエージェントを接続、Dynamic QoSが機能していた

 6月12日に開催された「ケーブルテレビ2002」の展示会場で、シスコシステムズがCATV事業者向けVoIPシステムのデモを行っている。通話ごとに動的に帯域制御を行う技術、「Dynamic QoS」を実際に動作させる内容。Dynamic QoSは、非営利のコンソーシアムであるCable Labsによって勧告されている。

 会場のデモは、2台のケーブルモデムをシスコ製のCMTS(Cable Modem Termination System=CATV局舎内のセンターモデム)「CiscouBR 10012」に接続。これと米Syndeo製コールエージェント「Syion 426」とを組み合わせるという構成だった。


デモで利用されていたハードウェア群。通信プロトコルにはMGCPをカスタマイズした「NCS1.0」を採用した

 デモの手順は以下のとおり。まずユーザー宅にある(と想定される)ケーブルモデムが発呼し、この信号がCATV事業者のバックボーンにあるコールエージェントに届く。これを受けたコールエージェントは、CMTSに指示を出して通話相手となるケーブルモデムを呼び出し、通信を確立させる。この際、ユーザー間の通信にその都度一定の帯域を確保し、QoSを実現させる。

 デモ構成機はいずれも「DOCSIS 1.1」準拠であるため、複数のサービスフロー(セッションID)を扱うことが可能。このため、たとえば1Mbpsの帯域を持つユーザーのストリームのうち、100Kbpsを『音声通話』に、残りを『データ通信』に割り当てることが可能となる。今回、これを実際に検証してみせたかたちだ。


2台の端末のストリーム状況(US=アップストリーム、DS=ダウンストリーム。クリックで拡大)。上方がシステム導入前、下方が導入後で、下方では「dys」(ダイナミックQoS)のストリームが別途用意されているのが分かる

 CATV網によるIP電話サービスとしては、三重県の「ZTV」が国内で初めて提供を開始している(5月2日の記事参照)。ZTVのケースでもDOCSIS 1.1対応機によりQoSを実現しているが、そのネットワーク管理の手法は「ユーザーの帯域を固定でVoIPに割り当てる静的な処理。IPによる通話を行っていない場合も帯域を制限されているわけで、ネットワークの利用効率が落ちる」(説明員)。

 「CMTSやコールエージェントといった機器間のインターオペラビリティでなんの問題もなく、実際にDynamic QoSが機能しているのは、これが国内初だ」(説明員)。

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[杉浦正武, ITmedia]

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