NTT東の描く、「メタデータ未来予想図」コンテンツに付与される属性情報、メタデータ。NTT東はこれを、コンテンツ流通のブロードバンドのキーテクノロジーになると見る
6月19日の「NTT-ATテクノフェア2002」で、NTT東日本取締役の高島元氏が講演を行い、同社のブロードバンドに対する取り組みと今後の展望を示した。高島氏は冒頭、「ブロードバンドビジネスはなかなか夜が明けない」とコメント。エンドユーザーまでのアクセスインフラが整った今は、ビジネス上のさまざまな課題解決に向けて研究・開発を行っているとした。
NTT東日本の高島取締役。「みんなブロードバンドでiモードの2匹目のどじょうを狙っているが、なかなかどじょうがいない」 高島氏は講演中、いくつかの要素技術に言及したが、中でも「キーテクノロジーになりうる」と評価し、強い関心を持っていると話したのは、コンテンツに付与される属性情報であるメタデータだ。 同氏はこれを、“制作・流通・利用”の各フェーズごとに付与するといった利用法を想定する。つまり、制作の時点で作者情報・利用条件などが記述され、流通に際してコーデック・価格・批評などが記述され、エンドユーザーが視聴するにあたりアクセス回数・嗜好などの利用履歴が記述される。そうして、コンテンツが市場を流れるに従い、メタデータも流通・上流にフィードバックされるという形態を思い描いているようだ。 「再生回数の制限や期間による自動消滅などの情報を付与すれば、著作権管理の問題を一気に解決できる可能性がある。また、コンテンツをシーンごとにインデキシングしておけば、『松井のホームランだけを再生する』などの再生制御が可能だ」(同)。 ほかにも、POSと連動させれば、リアルなマーケットデータに連動した高度な検索が可能になる。また、ユーザーのログイン情報と連動させることでR指定のコンテンツを非表示にするなどの操作も行える。 「究極的には、番組の脚本をXMLで記述することで、メタデータを自動生成したい。これにより、コンテンツの製造過程を全部メタデータでマネージメントできる」(同)という。
NTTグループはこうしたメタデータの技術について、NTT研究所などで開発を進めている。また、総務省の情報通信審議会通信技術分科会のサーバ型放送システム委員として活動するなど、政府の取り組みにも参加している。 さらに、メタデータのフォーマットについて、cIDf(コンテンツIDフォーラム)やMPEG-21、ITU-Tなど各団体の標準化に寄与するなど、業界全体の活動と協調性をもって事業を進めているという。 「メタデータはいよいよ、標準化活動から“サービスをどう構築するか”のレイヤーに移り始めている」(高島氏)。 関連記事 不正コピー防止の“埋まらない5%” コンテンツに値が付く時代がくる〜NTTの思惑 政府の進める「デジタルコンテンツ支援策」――3つのポイント Big Pipe:著作権保護技術の動向と近未来 関連リンク NTT東日本 [杉浦正武, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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