ニュース 2002年6月26日 08:30 PM 更新

無線LANが“ウェアラブル”に

米新興企業が802.11bネットワークとウェアラブルな通話機を使った簡易通話システムを発表。カリフォルニアの病院で来週、試験運用が開始される

 無線LANの用途を広げようと各社が取り組む中、その成果の1つとして、無線LANがウェアラブルになった。

 推定1500万の家庭/オフィスに導入が進んでいる無線LANだが、現状の用途は現実的に1カ所から別の場所に情報を転送することに限られている。専門家は、無線LANが今後も長く生き延びるためには、もっと多くの用途が必要だろうと指摘している。

 新興のVocera Communicationsなどいくつかの無線LAN技術会社は、近距離でデータを伝送する802.11bネットワークの機能を、電話ネットワークと融合させようとしている。Voceraは6月25日、チップメーカーのIntersilの協力を得て、802.11b対応のネットワーク機器と、衣服に縫い込める縦4インチの長方形「通話用バッジ」を使った簡易音声通話ステムを開発中だと発表した。

 ユーザーはこのバッジをハンズフリーで操作できる。ただそのためにはバッジが衣服の襟や袖くらい顔の近くになければならない。

 Voceraはこのシステムを年内に発売の予定。最初のターゲットは病院だ。病院では、一部医療機器との干渉のおそれがあることから通常の携帯電話の使用が米連邦法で禁止されている。

 米病院はこれまで、SpectraLinkやNextel Communicationsなどが販売する限定的な携帯電話ネットワークに頼ってきた。例えばSpectraLinkのシステムでは、特殊な携帯電話機を使ってこうしたネットワークを実現している。

 Voceraの広報担当によると、同社のシステムは来週、サンフランシスコの病院で試験運用が開始される。

 ほかにも802.11bの新たな用途を開拓するため、現在進行中またはテストを終えたばかりのプロジェクトがいくつかある。

 Internet Home Alliance(IHA)のTony Barra理事によると、同非営利組織では、ファイル転送以外の用途に802.11bを使おうとする実験的プロジェクトを少なくとも4つ把握している。

 例えばミシガン州では、道路から車庫に入る途中の車の中から、家のセキュリティシステムや稼働させたり、あるいは照明をつけたり消したり温度を調整したりする実験が行われている。

 またヒューストンの150世帯では、Webタブレットに似た無線LANデバイスが、冷蔵庫に磁石で貼られたメモ書きの代わりに使われているとBarra氏は説明した。

[ITmedia]

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