ニュース 2002年6月27日 11:21 PM 更新

「DS EXPO」「ESEC」で見つけたあんなもの、こんなもの

アップルの「XServe」に合わせたラック、超小型キューブコンピュータなど。「データストレージEXPO」「組み込みシステム開発技術展」で目を引いたものを紹介しよう

 東京有明の国際展示場(東京ビックサイト)で26日から「データストレージEXPO」(DS EXPO)、「組み込みシステム開発技術展」(ESEC)など4つのイベントが開催されている。動画のストリーミングやVoDで必要になる大容量ストレージをはじめ、Webカメラなどが登場。アップル初のラックマウント型サーバ「XServe」も展示されていた。


日本でもそろそろ出荷が開始されるアップルの「X Serve」が登場。

 アップルのXServeでQuickTimeストリーミングのデモンストレーションを行っているのはニューテックブース。同社の販売パートナーであるヤノ電器が、XServe用の「カスタムラックシステム」(仮称)を参考出展したのに合わせ、ワーキングデモを行った。

 カスタムラックシステムは、XServeとRAIDシステム、スイッチングハブ、UPSなどを収納できる最大9U搭載可能なラック。サイズは600(幅)×892(奥行き)×700(高さ)ミリで、冷却機構や専用取り付けステーを標準装備している。また、スタイリッシュなXServeに合わせ、4色のカラーバリエーション(ブラック、ブルー、アイボリー、レッド)が用意されているのもポイントだ。

 ヤノ電器では、同社が販売するニューテックのストレージシステム「Trusty」やUPSと組み合わせ、デザイン事務所やオフィス、学校などへ導入したいと話している。カスタムラックの発売は7月下旬。価格は未定だ。

 ソニーブースでは、5月に発売したテープストレージ「StorStation」を使ったVoDシステムを展示した。通常、VoDシステムではビデオデータをHDDに置くが、展示システムでは「配信サーバ内にコンテンツの最初の部分だけを置いておき、残りをテープストレージに格納する」。クライアントからリクエストが届くと、まずHDD内の頭部分を再生し、その間にテープを検索、タイムラグなしで再生を継続できるという。高価なHDD RAIDシステムを省くことで、システム全体での低コスト化が可能になる。


配信システムは「Media Base」を導入したサン・マイクロシステムズのUNIX機「ULTRA60」を使用。IPv6ネットワークにも対応する


StorStationの1ドライブ機「LIB-81」。2ドライブで16巻のテープを収納できる「LIB-162シリーズ」もある

 StorStationには1巻あたり100Gバイト(非圧縮時)の容量をもつAITテープドライブを採用し、これを8巻(1UタイプのLIB-81シリーズ)もしくは16巻(2Uタイプ)格納できる。「800GバイトのRAIDを導入すれば1000万円近いコストがかかるが、LIB-81なら150万円で済む。ドライブが1〜2(同時再生が1〜2)という制限はあるが、小規模なVoDシステムの低コスト化には有効だ」(ソニー)

 米NetSiliconのブースでは、同社のネットワーク機器向けプロセッサ「NET+50」を採用したアスカネットワーク システムのWebカメラ「E-z Cam100」を参考出展している。NET+50は、ARM7ベースのCPUに8Kバイトのキャッシュや各種インタフェースを搭載したシステム・オン・チップソリューションだ。


PDAでWebカメラの映像を表示するデモ


Webカメラの内部。中央のチップが「NET+50」

 NET+50の採用により、アスカのWebカメラは毎秒20フレームのMotion JPEGを配信、最大50クライアントの同時アクセスが可能だという。撮像素子は32万画素CMOS。本体背面にGPIOコネクタを搭載しており、各種外部センサーと連携して動作することもできる。

 「赤外線センサーなどと組み合わせ、防犯カメラや監視カメラとして利用できる。専用ソフトの設定により、画像をキャプチャするとメールで転送したり、FTPでサーバにアップロードすることも可能だ」(アスカネットワーク システム)。

 E-z Cam100の価格は7万9800円。現在はインターネット通販のみの取り扱いだが、将来的には一般量販店などで販売する計画もあるという。

 ボードコンピュータは数あれど、ユニークなリファレンスシステムを展示していたのが北九州市に本拠を置く旭テクネイオン。加INTRINSYCが開発した「CerfBoad」の国内代理店だ。


究極のキューブ型コンピュータ?


サイズ比較

 CerfBoadは、StrongARM(SA1110/192MHz)メモリやLANインタフェースを統合した、わずか57×69ミリのボードコンピュータ。16Mバイトのフラッシュと32MバイトのSDRAMを標準搭載しており、Windows CE3.0もしくは組み込みLinux(Intrinsysの「I-Linux」)が動作する。これをキューブ型の小型きょう体やPDA型のケースに搭載している。

 あくまで評価用機材だが、秋葉原のショップに持っていけば人気が出そうだ。コンパクトフラッシュスロットも装備しているため、CFやMicrodriveを入れ、そのままファイルサーバにすることもできる。電源アダプタや評価用ソフトを含むCD-ROMなどを同梱して、価格は6万9300円。

 ただし、CerfBoadのメイン市場は、工場内のライン管理などFA(Factory Automation)分野だ。同社によると、既にフィンランドのNokiaや米General Motorsなどに採用された実績があるという。


次期バージョンの「Xscale」搭載バージョンも参考出展。こちらは8月に出荷を開始する予定だ

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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