“ポケモン”が、ネットに上陸する可能性は日本のアニメは、世界で親しまれる強力コンテンツ。たとえば「ポケモン」がインターネットで配信される可能性はないのだろうか?
「ポケットモンスター」を初め、日本のアニメは世界に輸出され、放送されている。これを、ブロードバンドで配信できないものだろうか? 7月3日の「世界情報通信サミット2002/日経デジタルコア設立記念 ミッドイヤーフォーラム」では、パネルディスカッションに小学館の久保雅一氏が参加。ポケットモンスターの海外販売を手がけた同氏が、アニメをブロードバンド配信する可能性に触れた。
ポケットモンスターの海外での成功ぶりは、いまさら説明するまでもないだろう。現在60カ国以上でアニメが放送されており、40カ国以上で映画が放映されている。 「先日のワールドカップ出場国でいうと、ポケモンのアニメが放送されていない国はサウジアラビアだけ。もっとも、そのサウジアラビアといえば、ドイツに8-0で負けましたよね(笑)」(久保氏)。 こうした人気アニメのブロードバンド配信について、小学館は基本的に前向きのようすだ。久保氏も「アニメはブロードバンドの初期段階に向いたコンテンツ」という。「使用する帯域が少ないため、1.5MbpsのADSLでも十分配信できる。製作費も、実写映像よりは安い」(同)。 もっとも、人気アニメがネット配信されるという話はあまり聞かない。この理由について、久保氏は「プロポーザルはいただくが、どれもビジネスとよべるだけのディールサイズでない」と手厳しい。また、ほかのコンテンツ同様、DRM(Digital Rights Management)や著作権管理といった問題もあるという。「(著作権者の中には)コンテンツをあまり流通させず、管理下におきたいという人もいる」(同)。 この結果、現状では“株価対策”(久保氏)のような、外部に向けたアピール程度の取り組みしかできていないと話した。
一般に、地上波放送で放送されている番組・コンテンツをブロードバンドに移行することは、著作権のとりまとめなどから困難とされている。一方、韓国では、地上波放送の番組がオンライン配信されるケースが目立つ。現に国内でも、シーエヌアイとNTT-MEが、韓国のテレビ番組を24時間ほぼリアルタイムにストリーム配信するサービスを提供している(2001年11月の記事参照)。 こうした動向をうけ、会場からは「韓国ではできることが、日本では一体いつになったらできるのか。なんだか、一生視聴できないような気もするが」と、厳しい質問も飛び出した。 これに対し、久保氏は「韓国の事例では、あまり権利をクリアにせず配信に踏み切っているケースもあると思う」と指摘。 「日本でそれをやると、必ず訴訟になってしまう。私もこれまで、何度か訴訟に立ち会った経験があるが、非常にお金がかかるもの。米国では20億円ぐらいになる」。経験上、慎重にならざるを得ないと説明した。 もっとも同氏は、7月には権利関係をクリアにしたプロジェクトが立ち上がってくるはずと、含みを持たせる。「一生無理ということはないだろう。私としては、今年中にはなんとかしたいと思っている」(久保氏)。 関連記事 どんなストーリーが待つ? ブロードバンドとアニメの“出会い” ニフティ、漫画・アニメ・ゲームのポータルサイト「SURPARA.NET」 他局とは違う? ――テレビ東京の工夫と成果 AII、アイドル声優によるネットトーク番組を開始 著作権ドタバタ・ケーススタディ 〜イーライセンス 関連リンク 小学館 [杉浦正武, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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