ニュース 2002年7月12日 02:36 AM 更新

高いコミュニティ性で「新しいメディア」狙うドコモAOL

世界17カ国で3400万人の会員を抱えるAOL。その日本法人であるドコモAOLは、新サービス「AOLボイス」を発表するとともに、今後の事業の方向性を説明した

 7月12日、ドコモAOLは新サービス「矢沢永吉AOLボイス」を発表した。これはAOLに接続した際聞こえる「ウェルカム」や、メール受信を通知する「ユー・ガット・メール」といった音声を、矢沢永吉の声に設定できるもの。会員を対象に、無料で提供される。

 米AOLでは既に、Madonna、Michael Jordan、Jackie Chanといった有名タレントによる同種のサービスが提供されている。国内での本格提供はこれが初めてで、今後多くのタレントによる音声サービスを提供予定という。

「ライバルはテレビ」

 発表会場では、ドコモAOLのコンテンツ編成部ビジネス開発部、エグゼクティブディレクターの桑野克巳氏が同社の方針を話した。AOLのポータルサイトを、生活に密着した1つのメディアとして育てていくという。


ドコモAOLの桑野氏。「コンペティターは、テレビや電話だ」

 ドコモAOLがほかのISPと異なる点は、ユーザーがポータルサイトに滞在する時間が長いこと。ユニークビジターあたりの毎月の滞在時間では、AOLのポータルサイトは31.7時間で、「Yahoo! JAPAN」の13.4時間や「MSN Japan」の6.2時間に大差をつけているという(Media Metrics調べ)。

 理由としては、AOLが会員を対象に、クローズドでコミュニティ性の高いサービスを提供していることが考えられる。会員は専用ソフトウェア「AOL Media Player」を起動して動画コンテンツを楽しみながら、「AIM」(AOL Instant Messenger)で友人と会話を楽しむことができる。コンテンツを視聴中、あるアーティストが気になれば、世界10万人のアーティストをカバーしたアーティスト情報を閲覧することができる。

 7月からは、ぴあデジタルコミュニケーションズからコンテンツ提供を受け、@チケットぴあで提供しているチケット情報検索・購入も可能になった。これにより、アーティストの情報を参照、プロモーション映像を視聴し、チケットを購入する――という一連の流れが、ポータルサイト内で完結するという。

 これに、今回発表されたAOLボイスなどと併せて、よりカスタマイズされた独自のインターネット空間を提供する考えだ。

 現在、同社会員向けのコンテンツサービスは、基本的に無料。主な収入源は、ISP料金と広告、それに、e-コマースによる販売売上の一部となっている。「たとえばHMVでは、月に数百万円の売上がある」(ドコモAOL)。年末に向けさらに、有料映像コンテンツの提供も検討して、サービスの充実を図るという。

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[杉浦正武, ITmedia]

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