ニュース 2002年7月16日 03:19 PM 更新

ライバルは映像ポータル?――「NAVER Japan」の動画検索

動画ファイルが増えるにつれ、「動画検索サービス」を提供する企業が増えてきた。韓国発の検索サイト「NAVER Japan」も、そんなサイトの1つだ

 オンライン上で動画コンテンツが増えるにつれ、「動画検索サービス」を提供する企業がふえてきた。韓国発のWeb検索サイト「NAVER Japan」では、昨年10月1日から動画ファイルの検索サービスを開始している。同社のマーケティング部取締役、清水威志氏にサービスの概要と、今後の方向性を聞いた。


NAVER Japanトップページ。「統合検索」を選択すれば、Webページ、動画ファイル、画像ファイル、音声ファイルを一度に検索できる。もちろん個別機能での検索も可能


動画検索の結果。表示されたURLをクリックすると、その動画ファイルを再生すると同時に、動画ファイルが置いてあるサイトにジャンプする

 NAVERは、1997年に韓国でオープンしたWeb検索ポータルサイト。同国内では、いまや1日約2億ページビューを集めるまでに成長しており、2000年末に日本法人「ネイバージャパン」を設立した。

 日本法人では主に韓国サイトのコンテンツを移植するかたちで事業を展開しており、「1日200万ページビューを集めている」(清水氏)。動画検索サービスは、昨年の10月1日から開始している。

ロボット型と、ディレクトリ型の融合

 同社の動画検索は、基本的にWeb検索のフォーマットおよびノウハウを活用したものだ。同社のロボット型検索エンジンは、国内にある日本語サイト約1億と、海外の日本語サイト約300万をカバーしており、これらを2、3日で一通り巡回する。そこから、拡張子が.asf、.asx、.avi、.mov、.mpeg、.rmとなっている動画ファイルを抽出し、メタタグなどを解析してタイトル、ファイルフォーマット、再生時間、URLなどの情報を取り出すわけだ。

 解析に沿って動画ファイルがインデキシングされた後は、同社に所属する2名のディレクトリ編集者(サーファー)によって、追加の処理が行われる。この段階で手動による情報入力を行うほか、明らかに違法性のあるファイルや、著作権問題などで外部からクレームのついたファイルなどを削除する。

 こうした手順を経て、情報を収集、DB(データベース)と同期させるのにかかる時間は、2週間程度。「もっと短期間での更新をうたうサイトもあるが、それはオンライン上で更新された一部の情報を反映させているだけ。1億ページを巡回して、情報更新に2週間しかかからないのだから速い」(清水氏)という。

 DBに登録された動画ファイルの件数は、先ごろまで約20万件だった。しかし今年の6月に入って、収集した動画ファイルをサーバに一時的にダウンロードし、詳細に解析するシステムを構築。これにより処理の効率が上がり、DB登録件数は3倍の60万件まで増えたという。

「動画検索」がもたらすもの

 清水氏は動画検索を、「おもしろいものを探すための手段」だと説明する。

 「何気ないキーワードから、おもしろい動画が見つかるかもしれない。ユーザーはいいものを探して、楽しむことができるわけだ。そういう意味では、(動画ファイルを整理して並べた)映像ポータルサイトもライバルに位置付けられるだろう」。

 もっとも清水氏は、現状でサービスの知名度が低いことも認める。また、ネイバージャパンの画像検索では、DBに1800万件の登録されていることを考えると、「(動画ファイルが少ないという)数の問題もある」という。

 そんな中、ネイバージャパンは「BtoC」型の事業にこだわらず、ISPなどに動画検索エンジンをカスタマイズして提供する「BtoBtoC」型ビジネスも積極展開する方針。既に「Panasonic hi-ho」などでそのエンジンが採用されているという。

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[杉浦正武, ITmedia]

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