ニュース 2002年7月23日 11:35 PM 更新

三鷹市に“802.11g”のホットスポット登場

三鷹市は生活環境の充実を図る「あすのまち・三鷹」プロジェクトで、市内の学校などに802.11gのホットスポットを設置する考えを明らかにした

 三鷹市は7月23日、政府が推進する「e-Japan戦略」に沿った取り組みとして、“高環境・高福祉のまちづくり”の実現を目指すプロジェクト「あすのまち・三鷹」を推進すると発表した。7月29日に、同プロジェクトの推進協議会(仮称)設立を予定しており、協議会には、市民モニター、事業者、大学、関係機関などから広く参加を募るという。


三鷹市の安田養次郎市長。「三鷹を先導的モデル事業の“展示場”にしたい」と、意欲的だった

 三鷹市はこれまでも、地域環境を充実させるための施策を積極的に行ってきた。たとえば、慶応義塾大学との共同開発で市営のコミュニティーバスの電気自動車化に取り組んでいるほか、自治体の行政サービス手数料を電子納付するための「マルチペイメントネットワーク」構築に向け、今秋にも実証実験を行うことが決まっている。

 今年5月には、市内15の小学校でブロードバンドによる地域イントラネットを構築し、授業風景の動画配信などを行う「三鷹市・学校・地域連携教育プロジェクト」(5月13日の記事参照)も発表した。今回のプロジェクトでは、こうした各種の取り組みで並行的に試行を重ね、2005年以降の本格運用につなげることを狙いとしている。

“802.11g”のホットスポット登場

 数あるプロジェクトの中でも、新しい展開が明らかにされたのは前述の「地域連携教育プロジェクト」だ。まず1つは、IEEE 802.11g準拠のホットスポットを設置するという点。

 IEEE 802.11gといえば、2.4GHz帯を用いて最大54Mbpsの通信を実現する無線LAN規格(記事参照)。同市は従来、ホットスポット設置にあたりIEEE 802.11b、もしくはNTT東日本が研究を進めるAWAの無線方式を利用してきたが、「児童が屋外学習を行う際に利用できることから」(三鷹市)、IEEE 802.11gの採用を決めたという。

 「9月3日に仕様書を作成して、機器の納入を決定する予定。IEEE 802.11aも屋外開放の動きがあるが(記事参照)、9月に間に合うか分からなかった」(三鷹市)。

 教育プロジェクトではまた、IPv6を利用したマルチキャスト動画を配信することも発表された。IEEE 802.11gの無線網と組み合わせることで、定点カメラで撮影した学校風景を、DVデータとして非圧縮で配信するとうたった。

ホットスポットの地域展開も

 同市はさらに、IEEE 802.11gのホットスポットを市内に展開して、一般市民にもネット接続を可能にする計画を立てている。エリアは当初、2つの小学校周辺をカバーした広さになる予定で、「付近の民家に同意を得て、地域イントラネットに接続した無線アクセスポイントを設置させてもらう」(三鷹市)。アクセスポイントは、計125個を設置する予定だという。

 もっとも、具体的にどのような利用形態になるかは、まだ決まっていない。これは、ネットワークがIPv6での利用を想定しているため、IPv4ネットワークとの運用性を考慮する必要があるほか、セキュリティ面を十分検討する必要があるため。

 とはいえ、市側は「最終的には、三鷹市全域をホットスポット化したい」と意気込む。ネットワーク環境を整備すると同時に、生徒にノートPC(ラップトップPC)を行き渡らせて、「ラップトップスクール」を実現したいとした。

関連記事
▼ 日本IBMと三鷹市、ブロードバンドで「開かれた学校」
▼ 三鷹市の小学生も使っている動画配信システムとは?
▼ IEEEが無線LAN規格「802.11g」を暫定承認
▼ 「a, b、e、g」――それぞれの802.11が意味するところ

[杉浦正武, ITmedia]

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



モバイルショップ

最新スペック搭載ゲームパソコン
高性能でゲームが快適なのは
ドスパラゲームパソコンガレリア!

最新CPU搭載パソコンはドスパラで!!
第3世代インテルCoreプロセッサー搭載PC ドスパラはスピード出荷でお届けします!!