ニュース 2002年7月25日 10:47 PM 更新

DTIとTTNetが業務提携〜スピードを重視

三菱電機、DTI、TTNetの3社がISP事業における業務提携を発表した。TTNetの光ネットワーク基盤とDTIのサービス運用ノウハウを合わせ、サービス企画を含む経営スピードを向上させることが目的

 三菱電機、ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)、東京通信ネットワーク(TTNet)の3社は7月25日、ISP事業における業務提携を発表した。DTIとTTNetの両社は、ISPサービスやブランドは維持したまま、インフラと運用面の協業を進める。これに伴い、三菱電機は保有するDTI株式の一部を7月30日付けでTTNetに譲渡する予定だ。


左からDTIの肥田木誠社長、三菱電機の松田章インフォメーションシステム事業推進本部長、TTNetの白石智社長

 提携の目的は主に3点。1つはバックボーンの相互運用など、ネットワークの運用コスト削減を狙ったインフラ面の協力。2つめはサービスメニューの共同企画やコンテンツ配信での協業。そして3つめは、三菱電機の支援による新サービスの共同開発だ。

 「TTNetの光ネットワーク基盤と定評のあるDTIのサポートを組み合わせ、さらに三菱電機の持つ暗号、認証、DRM(Digital Rights Management)技術などのサポートを受けることで、将来のIPv6やユビキタス時代を見据えた新サービスの開発に取り組む」(DTIの肥田木誠社長)という。

 提携に伴い、三菱電機は、DTI株式の30%にあたる2265株をTTNet側に約35万円で譲渡する。これにより、TTNetは三菱電機(36%)に次ぐDTIの第2位株主となり、役員1名を派遣する。

 DTIは既に、松下電器産業系のPanasonic hi-hoと提携しているが、「今回は資本関係も含む、より強固な提携」(肥田木氏)という。また、「長期的にはhi-hoとも一緒に連携していきたい」として、3社を跨ぐISPグループの形成にも意欲を示した。

 一方、話題になったIIJとパワードコム(来春をメドにTTNetと統合予定)の経営統合(18日の記事 を参照)についてTTNetの白石智社長は「報道先行の感があり、実際はまだ白紙の状態。(コメントは)結果を見てからにしたい」と慎重な構えをみせている。

スピードを最重視

 1995年に設立したDTIのユーザーは全国に約30万人。1999年にISP事業へ参入したTTNetは、首都圏のファミリー層を中心に約22万人のユーザーがいる。合わせて52万人という数字は、まとまってはいるものの、競合ISPと比較すると決して大きなものではない。

 今回の提携は、規模の拡大より、むしろ企画と開発の両面における「スピード」というシナジー効果を期待したもののようだ。

 三菱電機の松田章インフォメーションシステム事業推進本部長は、「相次ぐISPの合従連衡や値下げ競争などに対抗するため、他のISPとの提携を模索していた。TTNetとの提携により、品質の高いサービスを迅速に提供する」とした。

 また、TTNetの白石社長も「来年の4月にはパワードコムとの統合が決まっているが、インターネットの世界は動きが激しい。なるべく“ロスタイム”を作りたくなかった」と話している。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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