ニュース 2002年7月29日 05:39 PM 更新

北関西ジャパンネット、兵庫県で今秋より12Mサービス提供


 兵庫県の地域ISPである北関西ジャパンネットは今年9月より、兵庫県中・北部地域を対象とした下り最高12Mbpsの独自ADSLサービス「nkansai ブロードバンドサービス(nkansai BB:エヌカンサイ ビービー)」の提供を開始すると発表した。

 nkansai BBは、同じ兵庫県の関西ブロードバンド(h555.net)との提携により実現したADSLサービス。北関西ジャパンネットが関西ブロードバンドのホールセール回線を利用して提供するもので、9月以降豊岡市からのサービス提供を予定している。

 nkansai BBの特徴としては、(1)Annex C.Xの採用と(2)料金逓減制の導入が挙げられる。

 このうちAnnex C.Xの採用であるが、同社では「NTT西日本のフレッツ・ADSLが採用する通常のAnnex C規格では、8Mサービスの場合局舎からの到達距離が短い」ことをAnnex C.Xの採用理由に挙げており、上りの利用する低周波帯域の一部を下りとオーバーラップさせることにより接続可能距離を伸ばしたAnnex C.Xの利用により、12Mbpsという最高速度の確保とともに従来NTTでは提供困難であった路線長の地域を積極的にカバーすることを目指している。

 またとりわけユニークなのが「料金逓減制」の導入で、nkansai BBでは5,000円〜最低3,000円の間で5段階に設定された月額利用料が、各局舎ごとの契約者数の増加に比例して安くなる(=逓減する)システムを採っている。

 これは、例えば1局舎あたりの契約者が100人であれば月額5,000円だが、555人ならば最低料金の3,000円となる具合で、同社ではこのシステムの採用により「過疎地でのサービス提供など、地域のニーズの合わせたリーズナブルな料金設定が可能」となるとしており、採算性の確保と迅速なエリア展開の両立を要求される同社ならではのユニークな制度となっている。

 このほかnkansai BBでは、基本サービスとしてメール・ホームページサービスが提供されることになっている。また提供エリアとしては、兵庫県北部(但馬地方)の19市町に中部の氷上郡6町を加えた25の地域が予定されているが、上記の豊岡市以外の具体的なスケジュールは8月20日頃の発表予定で、豊岡市でのサービスも当初は8Mbpsサービスに留まる見通しとなっている。

 サービスの全容はまだ明らかではないが、こうした地域発の情報化の試みが、既存事業者によるエリア展開のかやの外に置かれた「ブロードバンド難民」をどのくらい救済できるのか、今後の動向を注意深く見守っていきたい。

関連リンク
▼ 近畿コンピュータサービス(北関西ジャパンネット)
▼ 関西ブロードバンド(h555.net)

[記事提供:RBBTODAY ]



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