MISのJR駅利用に「ノー」?〜電気通信事業紛争処理委員会MISがJR東日本の駅に無線LAN装置の設置を求めていた件で、電気通信事業紛争処理委員会は「相当ではない」との答申を出した。駅という公共性の高い場所に他事業者の進出を認めないことになると、ホットスポットの拡大にも微妙な影響を与えそうだ……が?
総務大臣の諮問機関である電気通信事業紛争処理委員会は、モバイルインターネットサービス(MIS)が、JR東日本の駅に無線LAN装置を設置するため協議の認可を求めていた件で、「認可は相当ではない」との答申を出した。駅という公共性の高い場所に他事業者の進出を認めないことになると、ホットスポットの拡大にも微妙な影響を与えかねないだろう。ただし、今回の判断は、少し論点が異なるようだ。 MISは、公衆無線LANサービス「Genuine」のアクセスポイント展開にあたり、JR東日本の新宿、池袋、渋谷、東京、上野、品川の各駅を対象として設備設置を昨年9月に申し入れていた。しかし、日本テレコムと自前の無線LAN実験を開始したばかりのJR東日本側は、電波の干渉などを考慮してこれを拒否している。
今年3月に至り、MISは総務大臣に対してJR東日本との間で電気通信事業法第73条第1項に基づく協議を行うための認可を申請した。電気通信事業法第73条第1項は、第一種電気通信事業者が他人の土地などに線路を設置したいとき、総務大臣の認可を受けて協議を求めることができるというものだ。
ところが、電気通信紛争処理委員会の見解はMISと違った。今回の答申によると、MISの無線LAN設備は、隔地間(離れた場所の間)の通信を行うものではないため、電気通信事業法第73条第1項でいう「線路」には該当しないという。 もともとこの法律は、道路や鉄道など公共の利益となる事業に必要な土地収用などについて定めた「土地収用法」と同じ性質を持つと解釈されており、権利者が異なる土地を繋いで線路を敷設することが不可欠な場合に適用されるという。つまり同委員会は、駅の公共性などを論じる前に、“拠るべき法律が違う”と結論付けたわけだ。 「無線LAN設備を駅に設置することについては、当事者間の話し合いによるべきである。また、そのような設置を促すことが適当であるとすれば、然るべき法令上の根拠を整備する必要がある」(答申書より抜粋)。 その「当事者間の話し合い」が失敗したためにMISは総務省へ働きかけたわけだが、どうにも“肩すかし”を食ったような形になってしまった。逆にいえば、駅での無線LANサービスが否定されたわけではないため、MIS側は別の方法を検討することも可能だろう。ただし、同社の展開スケジュールに影響が及ぶのは必至だ。 なお、MIS側は「今回は答申が出た段階であり、総務省の最終的な判断が出るまではコメントできない」と話している。 関連記事 反骨の「Genuine」哲学とその方向性――MIS真野社長 MIS が「Genuine」商用サービスを発表、月額2400円 見えてきた「街角無線インターネット」の商用サービス 日本テレコムとJR東日本、無線LAN実験期間を延長 日本テレコムとJR東日本、駅構内の無線LAN実験を拡大 日本テレコムとJR東日本、東京駅で無線LAN実験 関連リンク 総務省の報道資料 駅でワイヤレスインターネット体験!(JR東日本) モバイルインターネットサービス [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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