ニュース 2002年8月21日 08:22 PM 更新

関電工の「コロンブスLAN」、販売体制を強化

ビル内の同軸ケーブルを用いてLAN環境を構築するシステム「コロンブスLAN」の販売で、関電工、ネットハンズ、三和エンジニアリングが提携した

 関電工は8月21日、ビル構内の同軸ケーブルを利用してLAN環境を構築するシステム「コロンブスLAN」の販売でネットハンズ、三和エンジニアリングと提携したと発表した。関電工は昨年3月から、コロンブスLANの開発、販売を行っているが、2社との提携により、全国的な営業活動とサポートが可能になる。

 両社の役割は、ネットハンズが地域単位の販売代理店のとりまとめ、三和エンジニアリングが全国のビルの調査、設置、メンテナンスを担当する。ネットハンズでは「特に病院やホテルでは、常設ブロードバンド接続が営業上の大きな強みとなる。(コロンブスLANは)コールメンテナンスが可能で、専任の管理者を置く必要もない」と話している。

コロンブスLANとは?

 コロンブスLANは、放送用同軸ケーブルの空いた帯域を利用してインターネット接続を実現するシステム。すでに配線が終了しているケーブルを利用するため、低コスト、短工期でシステムを構築できるのがメリットだ。

 データ伝送能力は、上り最大10.24Mbps(16QAM)、下り最大42Mbps(256QAM)。接続する端末モデムの数にもよるが、実効5〜10Mbps程度のスピードが期待できるという。

 なお、同じ同軸ケーブルを使うCATVインターネットの場合、上り方向に10〜55MHz帯を利用しているが、構内配線ではこの周波数帯に家電の流合雑音(ノイズ)が発生する可能性が高い。そこで関電工では上り方向を821−866MHz帯にアップコンバートする装置「コロンブスエッグ」を開発している。これをコロンブスLANと組み合わせることも可能だ。


コロンブスLANのシステム構築の際に設置される機器。左がセンターモデム「CLH-01A」、右が端末モデム「CLT-01A」

 具体的なシステム構成としては、まず構内にADSLや光ファイバーなどを引き込み、任意のプロバイダと契約する。棟内にはルータ、センターモデムを設置するほか、同軸ケーブルの増幅器(アンプ)を双方向通信対応ものに変更する必要がある。

 あとは部屋にひかれたケーブルを、テレビや端末モデムに接続するわけだ。日本電算機製のセットトップボックス「iBOX2」(記事参照)を組み合わせるシステム構成も用意している。

 センターモデムは512台の端末モデムを接続できる。センターモデム側では、端末モデム同士で通信できないように設定して、セキュリティを確保できるほか、逆に特定の端末モデム同士、通信を行えるようにも設定できる。

 コロンブスLANの平均受注額は、50室程度のビルで平均350万円ほど。これには工事費、メンテナンス費も含まれる。今後は、下半期で400棟受注、売上にして15億円程度を目標にするという。

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関連リンク
▼ 関電工「コロンブスLAN」のページ

[杉浦正武, ITmedia]

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