ニュース 2002年9月11日 11:40 PM 更新

携帯電話で“匿名受信”――IP電話システム「コペルフォン」

ネットで知り合った相手に、いきなり携帯電話の番号を教えるのは、ためらわれるもの。コペルフォンは、番号を明かさずにIP電話と携帯電話間で通話できるようにするシステムだ

 まだ見ぬネットコミュニティの知り合いと、一度電話で連絡してみたい。とはいえ、いきなり携帯電話の番号を教えるのは、ためらわれる……。

 そんな時、解決策の1つになるのが、イーディーコントライブが開発したIP電話システム「コペルフォン」だ。これは、自分の電話番号を相手に隠したまま、IP電話−携帯電話間の通話を実現するシステム。同社はこれを、ASPサービスとしてコミュニティサイトなどに導入してもらう考えだ。既に一部のサイトで採用が決まっているという。

“仮想番号”を取得

 コペルフォンを利用するには、同システムを採用したサイトにアクセスし、自分の電話番号を登録する必要がある。

 ユーザーはまず、サイト上で「土日のみ電話を受ける」「自分が許可した相手のみ電話を受ける」などの条件を設定した上で、自分の番号を入力し、仮登録番号を発行してもらう。システムは固定電話、携帯電話いずれにも対応している。

 次に、携帯電話から「コペルフォンサービスセンター」に電話をかけ、音声の指示に従って仮登録番号を入力する。自分の電話番号と仮登録番号が正しくマッチングされれば、登録が完了する。

 この手続きによって、登録ユーザーはそのサイトだけで通用する“携帯電話の番号”(仮想番号)を持つことができるわけだ。連絡をとりたい相手には仮想番号を教え、向こうがIP電話をかけてきてくれるのを待つ。

 IP電話をかける側は、コペルフォン採用サイトに用意された、Javaベースのソフトウェアを利用する。通話に必要なヘッドセット/USBフォンなどは、自前で用意する必要がある。


サイトにアクセスすればJavaアプレットが自動ダウンロードされ、このインタフェースが表示される

 イーディーコントライブのシステム開発プロジェクト、山口征浩氏は、携帯電話をサービスに絡めるところに、このシステムの意味があると話す。「IP電話同士で通話する場合、お互いに常時電源を入れておく必要がある。これでは話をする相手が増えないから、ユーザー間のコミュニケーションが促進されない」。

最小構成で500万円から

 コペルフォンのシステム構成は、下図のようになっている。イーディーコントライブが提供するのはこのうちの、VoIPゲートウェイと、仮想番号と実際の電話番号を1対1に対応させる「コペルサーバ」だ。システム導入の費用は、最小構成で500万円前後。VoIPネットワークに関しては、BIGLOBEなども利用するdialpad(記事参照)のネットワークインフラを利用している。


システム図(クリックで拡大)

 コペルフォンを採用した事業者は、コペルフォンシステムの導入費を加算するかたちで、VoIPサービスの料金設定を行う必要がある。つまり、通話料は通常のサービスより割高となる。

 現状、固定電話発信、携帯電話着信の通話サービスを提供しようとすると、3分80円以上かかる。VoIP発信、携帯電話着信の通話サービスも同様の料金となるため、これが原因で携帯キャリアとインフラ接続することを敬遠する事業者も多い(記事参照)。そんな中、さらに高い料金設定を行って、なおユーザーに魅力あるサービスとして訴求できるのだろうか。

 この点について山口氏は「通話料ではなく、付加価値のついた“コンテンツ料”と認識してもらえば、ユーザーの理解は得られるのではないか」とコメント。「海外では既に、3分10円といった料金でサービスを提供している。今後国内でも事業者の接続料は下がるはず」と、楽観的な見通しも示した。

 コペルフォンは、現在COCOLLOのオープンする英会話サイトに導入されることが決まっている。海外のユーザーに携帯電話番号を掲示してもらい、そこにIP電話をかけるという趣向。年内にサービスが開始される予定だ。

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関連リンク
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[杉浦正武, ITmedia]

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