LifeStyle：ブロードバンドを席巻する「ガンダム」

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2002年9月19日　02:25 AM 更新

ブロードバンドを席巻する「ガンダム」

「あの名作が、ブロードバンドで蘇る…」（BROBA）。バンダイチャンネルの本格サービス開始に伴い、配信各社が活気づいてきた

　「バンダイチャンネル」が10月より本格サービスを開始することを発表し、にわかにアニメ配信に注目が集まっている。同社が提携した6事業者は、先を争うようにして「機動戦士ガンダム」などサンライズ作品をプッシュ。独自の情報番組やイベントを企画している事業者もあり、この盛り上がりはしばらく続きそうだ。

　バンダイチャンネルは、バンダイ、サンライズ、バンダイビジュアル、バンダイネットワークスの4社が今年3月に設立したブロードバンドコンテンツ専門の事業会社。発表当初に「サインライズの持つアニメーション1700時間分をデジタル化作業を進めている」として注目を集めたのは記憶に新しい。とくに、ガンダムなどに熱中した当時の視聴者が、現在のブロードバンドユーザー層と重なることから、その市場性は高く評価されている。

　事実、他社に先行する形で、9月6日から「機動戦士ガンダム」と「機動戦士Zガンダム」の配信を行っている有線ブロードネットワークスでは、「配信を開始して2週間足らずだが、スタートダッシュがすごい。BROAD-GATE 01の有料コンテンツとしてアクセス記録を塗り替える勢いだ」（同社ブロードバンドコンテンツ部）と話す。それも、告知に使ったのは会員向けメールマガジンとポータルのみ。「とくに派手なプロモーションを行ったわけではない」という。

　同社は、TV版の配信と平行して、ガンダムを紹介するオリジナル番組「GUNDAM RESEACH」を制作。関連イベントなどの様子をレポートするほか、年内には会員向けのチャットイベントも行う計画だ。こちらは、動画や音声とテキストチャットを組み合わせた独自システム「CHAT CADGET」を利用する予定で、「お気に入りのシーンを見ながら、ユーザー同士がチャットで盛り上がる」といった展開も期待できる。

　同じく、先行配信を行っていたエヌ・ティ・ティ・ブロードバンドイニシアティブ（NTT-BB）の「BROBA」も、ガンダムの需要は十分に把握している。同社は「ガンダムファンのコミュニティ」（仮称）を計画中。会員間の情報交換に加え、クイズやプラモデル選手権といったイベントも開催する計画だ。

　また、映画3部作の配信開始こそYahoo! BBが先行するものの、プロモーションのために無料配信する「予告編」の掲載は、BROBAが一番早かったという。バンダイチャンネルの場合、デジタル化した素材データを提供し、各事業者が自社ネットワークに適した帯域幅やフォーマットにエンコードするという手順になるが、「予告編の素材が届いたのは昨日。しかし、BROBAには既に掲載されている」（ある業界関係者）。担当者の意気込みが伝わってくるようなエピソードだ。

　一方のYahoo! BBは、映画3部作を「オリジナル版」と「DVD版」の両方で配信するという作戦。DVD版は、最新の音響技術を使って再録音したという「音」が最大の特徴で、大人になった（？）アムロやセイラさんの声が魅力だ。ガンダム世代ならずとも、両方観てしまいかねない。

年内には20社提供へ

　今回、バンダイチャンネルからコンテンツ提供を受けるのは、NTT-BB（BROBA）、AII、有線ブロードネットワークス、Yahoo! BB、そして関西電力を中心に電力会社10社が発足したコンテンツ配信研究会「BBit Japan」（提供を受けるのは関西電力）など、10月時点で6社程度になる見込み。「年内には提携事業者を20程度まで増やす」（バンダイ広報）。

　配信時のビットレートはさまざまだ。例えば、FTTHの有線ブロードネットワークスは2Mbpsの高画質版、自社ネットワークで完結するADSLで1.5Mbps（BROBAのフレッツ会員向け）から500Kbps（Yahoo! BB）など。一部のプロモーション映像や配信事業者の独自番組は、インターネット経由でも視聴可能になる。こちらは384Kbps（BROBA）などだ。

　料金体系も微妙に異なるが、映画は1週間あたり300円（期間中は何度でも視聴可能）、TV版は1話100円が基本となっている。5話パックで400円といったパッケージ料金を用意している事業者も多い（詳細は関連記事を参照）。

　秋の夜長は、ブロードバンドでガンダム三昧。なかなか、魅力的な秋になりそうだ。

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