LifeStyle：三菱電機とアイピートーク、定額制のモバイルIP電話を提供

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2002年9月25日　00:09 AM 更新

三菱電機とアイピートーク、定額制のモバイルIP電話を提供

三菱電機系列のアイピートークは、2003年にも定額制のモバイルIP電話サービスを開始することを明らかにした。三菱電機が開発した携帯電話型端末を使い、鷹山などのホットスポットで通話できるようになる

　三菱電機は9月25日、携帯電話型のIP電話端末を発表した。これを受け、系列ベンチャーのアイピートークが「モバイルIP Talk」として定額制モバイルIP電話の事業化を進める。発表会に同席したアイピートークの内藤明彦社長は、「IP電話は、携帯イコール通話料金が高いというイメージを覆すもの。第4世代携帯電話の有力候補となるだろう」と自信をみせた。

三菱電機では、10月1日に幕張メッセで開幕する「CEATEC JAPAN」にモバイルIP Talkを出展する（クリックで拡大）

　今回発表された端末は、ストレートタイプのIP携帯電話だ。液晶ディスプレイや文字入力も可能なダイヤルキーを備え、WebブラウズやE-Mailの送受信にも対応する。本体上部にはコンパクトフラッシュスロットがあり、ここに無線LANカードもしくはPHSカードを装着することで、ホットスポットやPIAFSを経由したIP通話が可能になる。

　ただし、今のところは「汎用のLSIを搭載した試作機」（三菱電機先端技術総合研究所シリコンデバイス技術部の小島一良氏）の段階で、バッテリー持続時間もわずか数時間という。「今後は、小型化とバッテリーの長時間化、SDカードへの対応などを進める。IEEE 802.11aや11gのドライバも開発する予定だ」（同氏）。

既存の携帯電話と同様、WebブラウズやE-Mailも可能。もちろん、パケット代はかからない

本体上部にはコンパクトフラッシュスロット。将来的にはSDカードスロットに変更される

ホットスポット事業者と協業

　アイピートークは、今年6月より月額980円の固定型IP電話「IP Talk」を提供している。現在のユーザー数は約1000人にとどまるが、鷹山が固定IP電話に採用するなど、他社との協業によってサービスの拡大を図る構え。SIP（Session Initiation Protocol）をサポートしているため、SIP対応のIP電話サービスであれば相互接続も容易という。

アイピートークの内藤明彦社長

　また内藤氏によると、アイピートークは独自のHCAP（HTTP-based Conference Application Ptorocol：エイチキャップ）方式により、モバイル環境に適しているという。

　通常のIP電話では、アクセスポイント下でプライベートIPアドレスが付与されている場合や、ファイアウォールの中では通話が難しく、技術的課題となっている。しかし、HCAPでは、音声データとIPアドレス、シリアル番号、インターネットへの接続経路といった情報をカプセル化してHTTP伝送する。機器固有のシリアル番号と経路情報を併用することにより、プライベートアドレス環境でも管理サーバが端末を特定できるうえ、HTTPはWebブラウズに利用する80番ポートを使うため、ユーザーがファイアウォールの内側にいても通話できる。

　「Mobile IPやIPv6を待つ必要はない。その前にHCAPが普及するだろう」（内藤氏）。