ニュース 2002年10月2日 08:39 PM 更新

内線番号「050」の意味〜アイピートーク

アイピートークは、「CEATEC JAPAN 2002」の展示会場で、PCやPDAで動作するソフトウェア版のIP電話を初披露した。端末の内線番号がすべて「050」で始まるのはご愛嬌。だが……?

 アイピートークは、「CEATEC JAPAN 2002」の三菱電機ブース内でモバイル版IP電話サービス「モバイルIP Talk」関連機器を展示。先日発表された携帯電話型端末に加え、PCやPDAで動作するソフトウェア版を初披露した。



ソフトウェア版も試用できる。専用機に比べると少し音質は落ちるものの、携帯電話より聞き取りやすい印象

 モバイルIP Talkは、2003年中のサービス開始を予定している。それに先立ち、「秋から冬にかけてPHSキャリアと協力して携帯電話型端末の試験サービスを行う予定だ」(同社)。データ通信が定額制のPHSを使えば、通話料なしで使い放題となる。

 展示品は、いずれも来場者が試用できる状態になっている。デモは会場内の端末同士で行う内線通話だが、大阪に置かれたセンターサーバを介した、れっきとしたインターネット電話だ。番号リストをクリックするだけの手軽な操作でIP電話を体験できる。

 端末の内線番号がすべて「050」で始まるのはご愛嬌。しかし、わざわざこの番号を選んだのには、単に愛嬌で済まされない事情もあった。

着信番号は付与されるか?

 アイピートークは、IP電話の着信電話番号(050で始まる11桁の番号)付与を申請しているが、今のところ総務省のガイドラインでは「通信事業者の持つIPネットワークとPSTNを接続するサービス」を対象にしている(13日の記事を参照)。確かに、これなら帯域幅を確保しやすい(=品質を維持しやすい)。だが、インターネットを使うアイピートークにとっては事業拡大の好機を逃すことにつながりかねない。

 つまり、内線番号の「050」には、インターネット電話に対して着信番号の付与を求める意図が込められていたのだ。「自前の広域ネットワークを持つ事業者しかIP電話に参入できないのであれば、結局、今の電話市場と変わらない。大規模キャリアが市場を分け、競争が起きにくい状態になるだろう」。


アイピートークのシステム図

 アイピートークは、当初からインターネットやPIAFSの利用を前提として、音声コーデックにG.729を採用した。G.729は圧縮効率の高さが特徴で、8Kbps(オーバーヘッドを含めても15〜16Kbps)程度の帯域幅で通話可能だ。同社に着信電話番号を付与するか否か。総務省側にとっても難しい判断となるだろう。

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[芹澤隆徳, ITmedia]

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