自己申告? DSL回線の収容ルールNTT東西地域会社は、DSL回線の収容条件などに関する接続約款変更の認可申請を行った。昨年11月に標準化された「スペクトル管理標準(TTC標準JJ-100.01第1版)」に基づくもので、これに含まれていない新しい伝送方式については経過措置が適用される
NTT東西地域会社は10月17日、DSL回線の収容条件などに関する接続約款変更の認可申請を行った。情報通信技術委員会(TTC)のスペクトル管理標準をめぐる議論に決着が付かない状態での決定には異論の余地があるものの、これによってDSL回線の収容ルールが一部明確化されたことになる。
NTT東日本・相互接続推進部の祖父江和夫部門長は、TTCの状況は十分に把握していると前置きしたうえで、「DSLの技術は常に進歩している。確かに、新しい標準が提出されたときは(約款変更の)好機とはなるが、いつまでも待っていられない。出てきたもの(標準)から約款に反映していく」とした。 実際、現在の議論は最大12Mbpsのサービスに使われている技術が焦点となっているが、数カ月後には16Mbpsの新サービスが登場する見込みだ。通信回線の干渉を抑え、影響を可能な限り低減させるという「スペクトル管理」本来の目的に近づけるためには、早期のルール作りと体制の確立が必要となる。 このため、NTT東西が示した収容条件は、昨年11月に標準化された「スペクトル管理標準(TTC標準JJ-100.01第1版)」に即したものとなった。新たに回線を収容する際には、伝送方式によって第1グループと第2グループに分け、第2グループには、「ほかの回線と同じカッドには収容しない」「伝送方式ごとに定められた限界線路長を超える線路では使用しない」といった条件が付く(下表参照)。
第1グループの接続料金は従来通りだが、第2グループは「第1グループの料金に一律899円を上乗せした形」(NTT西日本・企画部の市川博之担当課長)となった。これは、同一カッドにほかの伝送方式を収容できないことで、収容率(=収容の効率)が落ちるため。「第1グループの場合は現在約80%の収容率。これに対して、第2グループは、本来2回線を収容できるカッドに1つしか入れないため、使用率は50%を切ることになる」(市川氏)。
しかしながら、DSL技術の中には位置付けが不明確なものがいくつかある。TTC標準JJ-100.01第1版が策定された昨年11月の時点では技術資料が公開されておらず、TTC内の議論が行われていないためだ。例えば、「Annex A.exは未確定ということになる」(祖父江氏)。 しかし、グループ分けが確定するまで収容を拒むこともできない。このため、NTT東西地域会社は、経過措置を設定することにした。「以前から接続している回線であって、今回の回線収容ルールに則っていない回線については、急激な工事費などの費用負担が生じることを勘案し、例外的に経過措置を定める」(NTT)。 内容は、分類が確定するまで、事業者からの申し出に基づいて暫定的な分類を設定するというもの。NTT東西との間に一応の協議は持つことになるが「特別に電力値が大きいなど、よほどの場合を除いて接続しないということはないだろう」(祖父江氏)という。 第1グループと第2グループの扱いの差を考慮すれば、事業者が自ら第2グループと位置付けることは考え難い。ユーザーが増えた後ではTTCの議論に影響する可能性もあるだけに、経過措置の内容については賛否が分かれそうだ。とはいえ、NTT東西の対応は、単に現状を追認したものと言える。 今回の約款変更許可申請は、11月頃にパブリック・コメントの募集が行われ、年内には認可される見通しだ。 関連記事 NTT東西、ADSLスペクトル騒動に対応した約款変更を申請 スペクトル管理 〜これまでの経緯 TTC、スペクトル管理問題の議事録を公開 BBT、“TTCへの動議は理解された” 「TTC標準には致命的な欠陥がある」──BBTが動議を提出 イー・アクセス、「BBTの主張には正当な根拠がない」 BBT、イー・アクセスCTOを提訴 関連リンク NTT東日本 NTT西日本 情報通信技術委員会(TTC) [芹澤隆徳, ITmedia] Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved. モバイルショップ
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